Class Activities Record of “Japanese Conversation 4”: 8th-class in Spring Semester 2022

教科名:日語会話4

対象:外国語学院 日本語学科2年生

教科書:新経典日本語 会話教程 第二冊、第2版 第9課~16課 

実施日時:(第8回目、第10課の3回目)
A組 3月23日(水) 08:10~09:30、27名出席
B組 3月25日(金) 08:10~09:30、26名出席、1名欠席


1.授業前の出欠クイズ

問い:次の文の下線部_ には、何が入りますか。

文:あした 雨 _ 降ったら、運動会はありません。
A:が
B:は

正解はAです。

A組:回答27名:正答A27名、誤答なし
B組:回答26名:正答A25名、誤答B1名

 ほとんど全員が正答でした。「雨が降る」ことは「運動会をしない」ことの条件です。条件節の中で、何がどうなるのか示さなければなりません。ですから、主語をはっきりと特定する「が」を使います。


2.前回の復習

① 様態「そうだ」の分類:趨勢、予測、外観
② 「動詞/イ形/ナ形/名詞+ようだ」の接続


3.ようだ(例示):基礎会話3

・クイズ1問目

オレンジ問題
正解はC=意志的な行為です。Aと紛らわしいことは確かだと思います。
回答者13名、正答C10名、誤答A1名、B1名、D1名

黄色問題
正解はA=動作の目的です。Cと紛らわしいのですが、タクシーで行くという動作の目的は会議に間に合わせることです。
回答者14名、正答A11名、誤答B1名、C2名

緑問題
正解はD=推測、判断です。
回答者13名、正答D12名、誤答B1名

水色問題
正解はB=事態の帰結成立です。
回答者13名、正答B6名、誤答D5名、C2名

クイズ1問目:「ようだ」の各種用法


4.応用練習2:「みたいだ」比喩

「みたいだ」は話し言葉で使います。「天使のようだ」は「天使みたいだ」になります。「の」がないことに気をつけます。


5.ちょっと腕試し
促音「っ、ッ」
・小さい「っ」の1つ分の長さがあります。
・日本語の発音では「拍の等時性」と言って、長音「―」、撥音「ん」、促音「っ」も同じ1拍長さがあります。
・促音「っ」は、次の子音の準備をして、1拍です。
・次の子音が破裂音なら、破裂の準備で気道が閉じていますから、無音の1拍です。
・次の子音が摩擦音なら、気道は閉じませんから、摩擦の息が漏れて1拍です。


6.典型の「らしい」

・基礎会話4で練習しました。「らしい」は次の11課で出てくる推定の「らしい」が重要です。基礎会話4では「ばかり」を使っていますので、クイズ2問目は「ばかり」の2用法について質問しています。

・クイズ2問目

オレンジ問題
田中さんは 自分の意見ばかり言って、人の意見を聞きません。
正解はBです。自分の意見を言うこと1つに偏っています。 回答者13名、正答B11名、誤答A2名

黄色問題
宿題はさっき、30分前に 終わったばかりなんです。
正解はAです。30分前ですから、終わった直後です。
回答者14名、正答A12名、誤答B2名

緑問題
髪の毛は 先週 切った ばかりなんです。
正解はAです。髪の毛を切る頻度を考えると、先週切ってからの時間は短いと考えてよいでしょう。つまり、動作の直後です。
回答者13名、正答A13名、誤答なし

水色問題
吉田さんは 毎日 仕事して ばかりいて、ぜんぜん休みません。
正解はBです。仕事ひとつに偏っているということです。
回答者13名、正答B10名、誤答A3名

クイズ2問目:「ばかり」の2つの用法


7.ここまでのまとめ
第10課に入って3回授業をしました。助動詞など、いくつか学びましたので、頭の整理のために、まとめをしました。
10課1回目 様態「そうだ/そうです」←→伝聞「そうだ」
  ・様態の外観の「そうだ」
  ・様態の予測の「そうだ」
10課2回目「ようだ/ようです」
  ・比喩の「ようだ」 
10課3回目(今回)
  ・例示の「ようだ」
  ・比喩の「みたいだ」
  ・典型の「らしい」


8.宿題と終わりの作文

・宿題の暗記文
<まだ、ここに書くことはできません。>

・終わりの作文

Task:「みたいだ」が比喩を表す文を作りなさい。
 N1は[理由](ので,から,て/で、)、
まるで N2みたいなんです。
例1:李さんは 運動神経がいいので、スポーツを始めると、まるで水を得た魚みたいなんです。
例2:今日は 35度もあるから、まるで 真夏みたいなんです。
例3:妹は 髪が短くて、まるで 男の子みたいなんです。


雑記:
 典型「らしい」については、差別的ステレオタイプを助長しそうな表現になりますので、私はあまり取り上げたくなかった用法です。次の11課で推定の「らしい」が出てきます。こちらの方が重要ですので、そのときにしっかり教えようと思います。教科書ライターは同じ「らしい」の別の用法と言うことで、典型「らしい」を無視できなかったのでしょう。しかし、典型「らしい」は「ようだ」「そうだ」からは少し浮いた感じがします。助動詞の効率的な習得を目指すなら、取り上げなくても良いように思います。

 日本語は時制によって語形変化します。2年生の後半ではありますが、その点をまだ理解していない学習者がいました。時制に係わる語形変化は母語にありませんから、適切に教えられ、適切に習得しなければ、学習者にとってはまったく想像外のことになるでしょう。母語では想定されない、したがって、これまでの自分の思考・経験からはまったく理解できないものを認知して、新たに技能として習得しなければいけません。これが第二言語習得の難しいところだと思います。
 母語になくて第二言語にあるような事柄も抵抗なくどんどん吸収する人がいたら、そういう人は、第二言語習得が得意でしょう。しかし、私の学生を見ても、そのような学習者はごく少数だと思います。もう一方の極端な例は、母語になくて第二言語習得で遭遇する新しい概念は、受け入れて習得するどころか、認知の扉から弾き返してしまうタイプの学習者です。このタイプはある程度いるように感じます。だから、私に必要なのは、なんとか学習者の認知の扉を開けさせて、その隙間から、日本語の特有の考え方や使い方を学習者が取り込めるようにしてあげることだと思っています。

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