教科名:日語会話4
対象:外国語学院 日本語学科2年生
教科書:新経典日本語 会話教程 第二冊、第2版 第9課~16課
実施日時:(第3回目)
A組 3月8日(火) 08:05~09:25、27名出席
B組 3月10日(木) 08:05~09:25、27名出席、1名欠席
1.授業前の出欠クイズ
問い:正しい文はどちらですか。
A:昨日は夜、たくさん勉強して、午前1時まで寝ました。
B:昨日は夜、たくさん勉強して、午前1時まで起きていました。
正解はBです。
A組:回答27名:正答B7名、誤答A20名
B組:回答26名:正答B14名、誤答A12名
「まで」は継続した状態・動作の終わりを表します。「起きている」状態が午前1時に終わりました。それからは、寝た状態になりました。これを「午前1時まで起きていました。」と表現します。
「まで」を使った問題は、誤答の方が多くなります。もし回答者が無作為に答えを選べば、正答50%、誤答50%になるでしょう。しかし、これまで私が「まで」をテストした結果では、確実に誤答の方が多いです。今回B組は半々くらいでしたが、前学期に「まで」を取り扱った影響があると思います。A組には、今回初めて「まで」の問題を出してみました。2択問題で半々にならないで、誤答が大半になるということは、学習者は「まで」を反対の意味でとらえているということです。
学習者にとっては、日本語の助詞を明示的に教えてもらう機会が、ほとんどありません。日本語の助詞のような後置詞は母語にないため、取り扱いたくない心理が働くのでしょう。そのため、助詞の理解は、各学習者が日本語に触れる中で推測できる範囲にとどまります。
「まで」もきちんと教えてもらうことはなく、各学習者が「まで」は何か時間、時刻と関係がありそうだと推測しているレベルにとどまっていると思われます。ここで、同じように時間や時刻と関係のある英語の前置詞をみてみると、at noonとかon Mondayでは、atやonは何かが起きたり、始まったりすることを示します。時間、時刻を表す目印があったとき、それは事が起きたり始まったりすると考えるのが、自然だと思います。今回のクイズで言えば、午前1時は寝る動作をした時刻です。通常は「午前1時に寝ました。」と表現しますし、学習者の多くもそれは理解しています。しかし、「まで」も何か起きたり始まったりする助詞だと考えて、「午前1時まで寝ました。」を正しいと思ってしまうのです。
しかし、「まで」は動作の時刻や状態の始まりではなく、継続した状態の終わりなのです。厳密には同じではありませんが、英語で言えばuntilが近いと思います。Untilはatやonよりも出番が少ないでしょう。つまり、物事が終わる時を示すという機能は、起きたり始まったりする時を表す機能よりも一般的ではなく、想定しにくいのです。
繰り返しになりますが、「~まで」は継続した状態・動作の終わりを表します。これは想定しにくい機能でしょうから、やはり「銀行は午前9時から午後3時までです。」というような例文をしっかり理解する必要があると思います。
2.前回の復習
・動詞のテ形:
一段動詞、カ変・サ変動詞
五段動詞:いちり→って、びみに→んで、き→いて、ぎ→いで、し→して、スペシャル行って
・クイズ1問目
正解はAです。
A組:回答27名:正答A26名、誤答C1名
B組:回答27名:正答A23名、誤答BあるいはC4名
「あげる/もらう/くれる」の理解確認です。正答率は高かったです。

3.基礎会話2:Vテもらう
教科書の基礎会話2は「Vテもらう」と「Vテくれる」を両方使います。しかし、問いと答えで主語が違う会話はよくありません。そのため、同じ基礎会話2を2回に分けて、まず「Vテもらう」を先に練習しました。この中で、家族以外の人に向かって自分の家族のことを話す時は、「さん」を付けないで「父」や「姉」と呼ぶことを学びました。
4.ちょっと腕試し
助詞「に」の各種用法を復習しました。
割当て・配分、動作の向かう先、基準、存在の場所、移動の目的、動作の時刻、変化後の状態・地位、
5.基礎会話2:Vテくれる
先にやった「Vテもらう」の会話を、今度は「Vテくれる」に直して練習しました。
・クイズ2問目
正解はAです。②と⑤が間違っています。
A組:回答27名:正答A21名、誤答D4名、B2名
B組:回答27名:正答A22名、誤答各種5名
授受、受け身、使役の表現では「人に物を」と表現することが多いです(違うときもあります)。これが「物に人を」という語順になっても、間違いではありません。Dで間違えた人は、助詞の機能よりも、語順が重要だと考えた可能性があります。

7.応用練習1:Vテくれる
教科書では「1人語り」になっていますが、教師の判断で「例」を会話に作り替えました。この教科書の欠点として、「会話教程」といいながら、会話の中にフィラーや相づちがほとんどありません。それらを取り入れた会話にしました。
8.まとめ
・まとめ
時間の制約から省略しました。
・宿題の暗記文
<まだ、ここに書くことはできません。>
・終わりの作文
Task:次の文を作りなさい。
「主語」の誰かが、「私に」恩恵を与えます。主語が自分の「内側」の人の場合は、呼び方に気をつけましょう。
[主語]が わたしに [物/こと]を [Vテ] くれました。
例1:佐藤さんが 私に 地下鉄の乗り方を 教えてくれました。
例2:工場長が 私に 生産ラインを 案内してくれました。
雑記:
単なる授業記録にしようと思ったのですが、私の癖なのか、どんどん長くなって、編集時間も長くなって、疲れてしまい、これでは長続きできそうもない、という気分になりました。もっと情報をコンパクトにしないといけませんね。
このワードプレスの文書作成機能は大変使いにくいです。divを次々と生成してそこに書き込ませているのでしょう。複数行指定とかできなくて本当にいらいらします。仕方がないので、今日はひさしぶりに、div内にHTMLをコピペする作り方をしました。なんでもっと普通に文書を書き込めるようにならないんですか?