業務記録:Apr.21-27, 2019

<個人的なログです>

■ 個人授業1:2時間:教材「みんなの日本語 II(青色)」

最終授業。自国の観光地を宣伝する学習者の短いプレゼンと、「みんなの日本語」の28課および30課の会話のパワーポイント授業。観光地の方は、実質原稿を読み上げるだけだが、インターネットからひろった画像で私がスライドを作り、プレゼンらしい雰囲気を少し出した。みんなの日本語の会話のPPTは、以前作った物を改変して使った。以前作ったときは28課に13時間、30課に11時間かけた。しかし、その時点では具体的な学習者は想定しておらず、将来役にたったらなぁという感覚で作っていた。今回、実際に学習者を前にして授業するにあたって、どうしても改変が必要となった。その改変に、28課30課合わせて10時間を要した。「これでいいかな」程度の考え方で作ったものは、実際に使う段になると、使えないものであると感じた。今回の授業では、模擬学習者として日本人の方一人に参加してもらった。学習者2人のパワーポイント授業である。学習者1に対しては、以前1回だけPPT授業をしたことがあり、その時はこちらと学習者の距離みたいなものは感じなかった。また普段は1対1のマンツーマンレッスンであり、相手の表情を見ながら進めていくので、距離感なんてものはない。しかし、今回学習者2人に対してPPT授業をしたら、学習者1の表情が見えていないのに、教える側が勝手に進めているような、何か距離感のある授業をしていた。やりとりが成立していない状況で見切り発車をしている状況もあったように思う。一人が二人に増えただけでこんな風に感じるのであれば、もっと多い人数の授業だったら、各学習者に配慮することなどできるのだろうか。今回の28課と30課の会話は、PPT化授業のストックの中から、学習者に選んでもらったものである。特に30課の「てある」「ておく」の使い分けに興味があったようである。その違いをPPT上で説明したつもりであるが、ピンと来ないような表情をしているし、発話させると「ておく」のところで「てある」を言ったりする。今にして思えば、この授業では、「てある」「ておく」の違いを学習者が十分理解し、運用できるようになり、「もう間違えないぞ」という自信を持てるようにすべきではなかったのか。それ一つに絞っても良かったのだ。28課と30課の会話の授業を2時間でひととおりやってみたい、などという教える側の都合は重要ではない。学習者中心の授業をしなければならない。

 

■ 個人授業5:1時間半:教材「できるにほんご初級・赤」

1回目:部屋を借りないレッスンのため、必然的に紙の授業になった。最近パワーポイント授業に力を入れすぎなので、いささかPPT依存症になってしまった。ハテ、紙で授業するにはどうするんだったっけ、などと、経験を積んだ日本語教師から見れば本末転倒なことを悩んだ。結局、教案・教材作成には3時間しかかけなかった。実際、PPTを使わない紙の授業の方が、準備時間は短くてすむ。できる日本語の1課2課をほぼそのまま使用。ただし、こそあど関連では、以前自作した絵等をいくつか使った。この学習者5に対しては、極力文法を表に出さないコミュニカティブな授業を心がけているが、「こそあど」ではかなり機械的な練習になってしまった。「こそあど」の習得を有意味のやりとりの形で行うことは、可能であろうか。準備が大変になりそうだ。以前別の初級者に「こそあど」を教えたときは、まずミカンを持って来て、いろいろなところに置いてみた。しかし大して面白くも無いし、パターンも多くできないので、その次のレッスンで完全に機械的練習に割り切った。パワーポイントの視覚性、表示の素早さを利用して、大量に繰り返し練習させたのである。効果のほどは分からない。しかし、学習者は人間であって、アンサリングマシンでは無い。ましてや調教する動物などでは決してあってはいけない。機械的繰り返し練習は過去の遺物であって、21世紀の第二言語学習では避けるべきものである・・・かどうかは、経験の足らない自分には、まだよくわかりません。

2回目:最終授業。目標としていた、パクさんの「ぶたにく?」にたどり着いた。「できる日本語」の2-3は以前よりPPT化していた(財布を置き忘れた四角5は未了)。食べることは人間の行動のうちもっとも基本的なものであり、言語学習においても食べることをネタにするのは良いことだと考えている。しかしながら、すでに2回ほど授業で使った2-3部分のPPTも、やっぱり作り込みが甘い。すっきりとした構成に作り直して、学習者5にカスタマイズするための作業をしたら12時間ほどかかった。また、予約した部屋の中で、学習者が来る前の1時間、練習した。前段として、これまで4回の授業の復習をした。「こそあ」は代名詞の「これそれあれ」、場所の「ここそこあそこ」、連体詞の「このそのあの」の3種が初期段階での導入となるが、この3種を混ぜて与えると、混乱が生じるようだ。それぞれをしっかり定着させてから、混ざったものを与えるようにした方がよかった。時間があればの話だが。混ざったものとは、「でき日」2-2チャレンジの四角1~3のことである。1回目のところにも書いたが、「こそあ」練習は機械的なものになりがちであり、今回PPTでやろうとした部分もそうだった。そのまま「こそあ」練習を続行することは、学習者の顔色から適切ではないと判断し、「このそのあの」は諦めて飛ばした。「豚肉は英語で何ですか」も大切だが、今回の目標はワンさんの「とんかつを二つと、カレーを一つと、ビールを三つください」である。ちょっと長いが、おぼえてほしかった。しかし残念なことに、今回学習者は眠くて記憶力ががた落ちだった。繰り返して現れること、ついさっきやったことが出てこないので、そうと分かる。こんなとき、学習者を おめめぱっちり意識覚醒させる、妙案が無いか。自分自身学生時代はいつも眠くて記憶力がなく、成績は悪い方だったので、こんなときに勉強は適さないというのがよく分かる。たった5回のレッスンであったが、学習者3の経験から、アプローチを変えてみるなど、いろいろと学ぶことが多かった。

★ということで、半年ほど実施した日本語ボランティアは、ここでいったん区切りをつける。学ぶことの多い半年だった。今後のため、得られた知見を整理しておく作業も必要であるが、それは別のところでしたい。ただし、自分に日本語教師は無理かもしれないという気持ちが、いぜんとしてある。それに、日本語ばかり勉強していると、ほかの言語の力がみるみる落ちていくので、悲しい気持ちになる。

業務記録:Apr14-20, 2019

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■ 個人授業1:2時間:教材「できる日本語 中級(青色)」

教案、教材の準備は2時間ほど。次回は最終回の特別授業なので、今回が通常授業の最終である。そろそろ気が抜けてきたのか、学習者3のPPT作成で疲れ切ってしまったのか、準備もほどほどでレッスンにのぞんだ。最終日にさせるプレゼンの原稿を流ちょうに読み上げる練習をした。この学習者の国の人たちは、みな日本語の高低アクセントで苦労しているのだろう。拍もなるべく等間隔にしてほしいが「観光地」は難しいようである。もうひとつの教材では、体の向きを変えるのにあたって、なぜ先に枕を動かす必要があるのかを説明させようとしたが、自分の表現したいことと、自分が日本語で表現できることの差に、気づきが得られたようである。先週カットした、有意味・談話構造でのやりとり練習をしてみたが、モダリティ部分の表現方法が、まだまだだと感じた。意味論的なやりとりを成立させることと、表現上の形式を正しく発話すること、この両方を成立させるのは、学習者にとっては難しいようだ。だから最初は意味を切りはなした形式だけの教え方になるわけであるが、しかしそれだけでは実際の会話で運用できるようにはならない。後半は「上級へのとびら」の7章のオノマトペをやってみた。学校ではオノマトペについてあまり教わっていないとのことで、私のレッスンが終わる前に是非ともやっておきたかった事項である。読み物を2回リスニングしたあと、160頁の問題をやらせてみたら、ほとんど正答だった。最後は連休中の予定をフリートークさせて、時間通り終了。この最後のフリートークで、日本語能力試験の出願状況について聞いて見た。担当教師とのやりとりを私に説明するところで、間接引用にすべきところ、直接引用にするので、どうしても幼稚に聞こえてしまう。このあたりの練習もしておけば良かったかもしれない。今回の授業は準備がいい加減だったにもかかわらず、時間配分等がわりとうまくいった。慢心しないよう注意すべきだ。残りはあと1回。

 

■ 個人授業3:1時間半:教材自作だが、みんなの日本語の練習Aに準拠

最終回:先週使うつもりでいたがレッスンキャンセルにより使わなかったハガ構文の教材・教案を使った。もともとの作成時間は5時間だったが、今回用に改変を加える作業で2時間ほど。今回も漢字学習を準備していたが、時間がなくなりそうだったし、今までの漢字学習で書けるようになった漢字がほぼないことから、今回漢字学習はカットした。復習として副詞「もう、まだ、とても、あまり」の練習。本日の新規の内容としては、まず2つの形容詞をならべること。それから理由の「から」の導入。最大の導入項目はハガ構文であり、「好きだ」「ほしい」の2語を述語にしたハガ構文を学習。そして最後は「生物がいる/物がある」。最終回だからとなんとか詰め込んだが、これらが学習者に定着して運用できるようになるかといえば、まったく無理であろう。私がこれまで教えた中では、初めてゼロからスタートする学習者だった。学校に入る前にできるだけ多くの内容を教えようと、無理をしすぎたかもしれない。しかし、教える側が何を教えたかではなく、学習者がどれほど運用できるようになったかが、もっとも大切なことである。こういうことになるのであれば、導入は移動の自動詞あたりまでにして、もっと学習者の運用を確実にする教え方にすべきであった。教える側の未熟さによって学習者の伸びる余地を奪ってしまったかもしれず、後悔の多い状態で終了となってしまった。

 

■ 個人授業5:1時間半:教材「できるにほんご初級・赤」

1回目:予定では5回レッスンするつもりのうちの2回目。教材・教案作成に4時間。本日は音声教材が使えない場所でのレッスンだったため、私がモデル発話をした。あまりいい声ではないと思う。「できる日本語」から1-1のトラックA02-04は前回の復習。「こちらこそ」が定着しない。新しい学習内容としては、1-1のトラックA05-07に現れる否定の表現「じゃ ありません」。レッスン時に気づいたが、「じゃ ありません」の理解確認をどうすれば良いのか、事前検討で考えていなかった。一瞬焦ったが、会社員の人のことを「学生ですか」と聞き、学生の人のことを「会社員ですか」と聞いて、学習者に「じゃありません」と答えさせることにより、理解確認とした。それで効果的だったかは分からない。次の1-2のトラックA09-10で誕生日が出てくることから、月の呼び方を先行導入した。カレンダー上の日付の読み方も導入したかったが、単純な作業に学習者が飽きてきたような様子も見えたことから、31日分読み方を書き取らせるのは大変だと判断し、本人の誕生日の日付のみにした。1-2には関係ないが、ついでに曜日と毎正時の呼び方もやった。準備段階では1-2ぐらいで終わるだろうと想定したが、万一早く進んだ場合に備えて、数字、特に金額の呼び方と、こそあどの一部を用意していた。前者に突入。値段を聞いて答える練習が意外にすいすい進んだ。後者のこそあどはさすがに早すぎるので次回以降とした。まだひらがなカタカナで読めないのもあるが、事細かな文字指導よりは、実際に運用する中で読み方をおぼえるようにすれば良いのではないかと考えている。レッスン回数が少ないので、文字指導に時間を使いたくないのが実際。

2回目:5回授業のうちの3回目。本日は部屋を予約したのでPPT授業をした。「できる日本語」の初級を使っており、これをパワポ授業化する作業に11時間かかった。そんなに時間をかけて「できる日本語」のPPT教材を作るべきなのかは問題である。というのは、「みんなの日本語」なら一度PPT教材化しておけば、将来また使う時に準備が楽であろう。しかし、「できる日本語」を採用している日本語学校はそんなにないだろうから、今時間を費やしてPPT教材を作っても、将来ふたたび使う機会があるかどうかわからない。たった一人の学習者のためにそこまでするのか、迷いがないわけではない。ただ、今回PPT化するのは極めて初級の部分なので、授業以外のボランティア活動等で使い回すこともあるのではと期待して作業したものである。「できる日本語」は絵が多いので状況説明がしやすいこと、パクさんの声が元気なことが長所ではあるが、PPT教材化にあたっては、どのようにセグメント化するかなど、けっこう工夫が必要である。今回は、まず復習として三つの塊、①1-1のTrack02-04と、②Track05-07、③1-2のTrack09-10を設け、新規導入として、2-1のTrack18-19を塊④とした。Track20は店員がしゃべるので「ここ・そこ・あそこ」が丁寧に「こちら・そちら・あちら」になるが、今回は割愛した。ちなみに趣味を語る1-3は現時点での実用性がないと考えて省略。塊②③④は、スクリプトの穴あきが増えていって暗記させるセッション付きであるが、実際のレッスンでは、時間の都合上、③と④の穴あき増加セッションはあまりやれなかった。穴あきで感じたが、若い人の記憶力は素晴らしいと思う。復習では、「じゃありません」「N1のN2」の定着が進んでいるように感じた。今のところ、極力文法臭さを感じさせないレッスンにしている(と自分では思っている)。時間さえあれば文法も含め多面的に教えたいが、今回はレッスン回数が少ないので、私の勝手な判断で教える内容の取捨選択をしている。たとえば、漢字指導はしない。ひらがな・カタカナについては、読めないとさすがに困るので、本日チェックをしたが、カタカナはまだ勉強していないということなので、放っておく。それから、自然な発話を妨げたくないため(と理由をつけて)、高低アクセントも直さない。また語彙の導入も最小限である。34ページ「言ってみよう」□1のニコニコショッピングビルはいろいろな物が描いてあるので、語彙が多ければいろいろと遊べるはずであるが、残念ながら「本屋」も「食堂」も導入しない。日本語を本格的に学ぶのは次回来日した時になるだろうから、今回は楽しく学ぶことがメインで、学習者が運用できる日本語がほんのちょっとできれば良い、よいといったスタンス。今回はパクさんの「エスカレーター、エスカレーター・・・」が気に入ったようである。あと2回しかないが、パクさんの「ぶたにく?」まで到達したいものである。

業務記録:Apr7-13, 2019

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■ 個人授業1:2時間:教材「できる日本語 中級(青色)」

教材・教案の作成に6時間。最終回にさせる自国の宣伝プレゼンテーションの原稿を完成させた。学習者が追加したいと言って自分で作文してきた部分を組み込んだ。今回は部屋を予約して授業したので、高低アクセントの指導の時、まわりを気にすることなく発声できたので良かった。1拍目が低、2拍目が高になる上昇の段差は、私に注意されて練習すると、3回目くらいにやっとできる。だからまだまだである。もう一つの会話教材は、学習者の進学したい方面の教材なので、業界用語とまではいかないが、特定の目的語-他動詞等の組み合わせがあるので、それをおぼえてもらいたいと思う。これもまだまだで復習が必要。文法的なアプローチとしては勧めの「たらどうですか」をやった。その上で、これまでいくつか学んだ対者的な表現を使って、①異状を検知→②対応の提案→③合意形成のやりとり練習をしようと4題くらい用意していたが、時間がなかったのでカット。休憩ののち、「上級へのとびら」の「日本の地理」の後半をやった。自分のやり方が未熟なので、読解なのか聴解なのか授業の視点のはっきりしない教え方になってしまった。今回はテキストを勉強するというより、そのテキストをネタにして、学習者に発話させることがメインになった。学習者の発話は、文法的・意味論的に不十分なものであるので、即時修正するが、よほど印象的な内容でない限り、修正はその場限りとなってしまい、正しい形を学習者が運用できるまでに定着することはないであろう。それならば、毎回メモを取って、文字化し、正解も添えて次回に紙を渡すなどすれば、定着につながるかなあなどと考えたりもするが、手間が膨大なのと、学習者が受け取ったあと、復習しなければ意味がないので、そこまでしている教師はいないだろうなと思った。

 

■ 個人授業3:1時間半:教材自作だが、みんなの日本語の練習Aに準拠

1回:今週は1回のみ。この学習者へのレッスンももうすぐ終わる。終了までにハガ構文と、「物がある/生物がいる」の存在文まで進みたかったが、だんだん怪しくなってきた。今週ハガ構文に入る予定で教案・教材づくりを5時間かけて行ったが、当日レッスンキャンセルの連絡が入った。また、以前「みんなの日本語」の会話のPPT授業に食いつきが良かったことから、9課の会話「残念ですが」をPPT授業化するため先週から作業を始め、14時間かけて完成したが、残りの予定を考えると、もう使えないことになってしまった。さらに今回の授業は、形容詞の徹底的な復習をしたかったので、大量にパワーポイントのスライドを作った。これに何と21時間かけた。5+14+21時間ともなれば、おぞましい時間の使い方であるが、作った物はすべて電子化されており、いつかまた役に立つ日も来るだろう。さて、90分のレッスンでみっちり練習したおかげで、イ形の否定の誤用「おいしいじゃ ありません」はかなりの確率で防げるようになった。唯一の慰めになるだろう。この学習者には調子のいい日と悪い日のムラがあるようで、今回はぱっとしなかった。授業中に複数回出てくることを記憶できていないので、調子が悪いことが分かる。「きれいな」がナ形で運用できるようになってくれれば良いのだが、ちょっと怪しい。残り時間がないのに形容詞に力を注ぎすぎたかもしれない。動詞文と助詞の組み合わせが運用できるように練習を重ねたかった。

 

■ 個人授業5:1時間半:教材「できるにほんご初級・赤」

現状では3人目になる学習者として、本日授業開始。予定では5回しかレッスンできないが、できる範囲で何とか頑張りたい。部屋を予約してあり、PPT授業ができる環境だったため、これまで作ったPPT教材をつなぎ合わせ、授業準備は4時間ほどで済んだ。ただし教案は真面目に作る時間がなかった。学習者は、五十音上ではひらがなカタカナが読めるが、ランダムに出すとまだ読めない状態。同じ全く初級からの学習者3は「みんなの日本語」を使って、文法をひとつひとつ積み上げていく方法を採ったが、この学習者5は、適性的なことも考えて、「できる日本語」を使って教えたいと考えている。本日は基本的な挨拶を練習したのち、でき日1-2のトラックA09のパクさんの自己紹介と、1-1のトラックA02-04の3人の会話をやった。ところどころ、文字面だけを発声していて内容理解に達していないのではないかと思わせる場面があったが、思ったよりもすいすい進んだ。あと4回しかできないが、本人の理解度や習得度合いを見ながら、無理をせず、しかし着実に運用ができるような形に持っていくコミュニカティブなレッスンをしたい。

業務記録:Mar31-Apr6, 2019

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■ 個人授業1:2時間:教材「できる日本語 中級(青色)」

教材・教案の作成に6時間。ただしそれほど根を詰めて作業していた訳ではない。まとまりのある文章を流ちょうに読み上げる練習をさせたいので、最終回に自国を案内するプレゼンをさせる。そのため、毎週数行づつ、高低アクセント、拍について、みっちり練習している。また学習者が興味を持っている分野の会話集を毎回ひとつずつ練習している。それらに加え、会話の実践で役に立つ表現として、今回は「使役させて+いただけませんか」で丁寧に許可を請う表現を練習させた。ただし、以上では2時間の内容として足りない。まだ学校が春休み中で青い本も進んでいないため、一体何を教えたらいいか考えつかなかったし、準備時間もなくなってきたので、安易な方法として以前他の学習者に使った「上級へのとびら」の「日本の地理」を使うことにした。実際に授業をしてみて、前半の読む練習で50分、「使役で許可」の文法的な内容で20分、「日本の地理」の前半で40分、残りはバイトのことのフリートークでガス抜きさせた。準備計画をさほど練っていなかったものの、割と良い感じの時間配分だった。寒い中、このためだけに出てきてもらうのも何だったが、本人も満足そうな顔をしていたので、こちらも嬉しかった。学習者の発話をなるべく遮らずに、上手く引き出せるような対応をしたいものだと感じた。

 

■ 個人授業3:1時間半:教材自作だが、みんなの日本語の練習Aに準拠

1回:動詞文において、動詞のタイプと助詞を有機的に結びつけて運用できるかと言えば、まだまだである。しかしながら私とレッスンできる回数は次第に残り少なくなってきている。そのため、形容詞文に突入した。イ形容詞とナ形容詞を同時に入れるかは、この学習者の特性を考えて、イ形を先行させた。ナ形はこの週2回目で導入することにした。これにより否定での誤用「おいしいじゃありません」を予防できるのではないかと期待したが、2回目にナ形を教えた時点で、特に効果は無く、結局「イ形くないです」/「ナ形じゃありません」の使い分けはできないということが分かった。イ形だけでは時間を余し気味のため、前回未消化に終わった「みん日」7課の会話を再びやってみた。この学習者にしては珍しく、もっと練習させてくれ、と言う。私の教え方が文法ばかりで学習者も退屈していたのだろう。みん日は文法だけの教科書のように思われるが、会話の部分が有意味のやりとり練習をカバーしているので、有効に使うことが大事だと感じた。

2回:前回のイ形に引き続き、ナ形を導入。名詞修飾の時は「な」があって、述語の時は「な」がなくなります(なくなるわけではないが、このさい厳密なことはおくとして)。というのは示しただけでは駄目であり、学習者がその違いに気づき、自身で運用できることの確認まで行うべきであったと、今にして思う。否定文に関しては、イ形とナ形を混ぜて与えると、やはりイ形の方が「安いじゃありません」になってしまう。多くの日本語学習者がそうなるのは当然の成り行きと考えるべきか。ここはやはり日本人がちゃんと教えてあげるべきだろう。イ形とナ形を導入した所で、接続助詞「が」あるいは接続詞「そして」での2つの形容詞を並べること、そして形容詞の程度を表す副詞を教えたかったが、学習者は空腹でレッスンを続けられないと言いだし、早めの終了となった。

業務記録:Mar24-30, 2019

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■ 個人授業1:2時間:教材「できる日本語 中級(青色)」

教案・教材は5時間。これに加えて、学習者が書いた作文を添削するのに1時間くらい使った。「できる日本語」の黄色い本が終わり、青の本に入ったが、どの教材を使ってどんな教え方をすれば良いのか、経験の足りない当方にとっては見えなくなってしまった。とりあえずは、長めの文および会話文を流ちょうに読み上げる練習の準備をし、文法の面から、イ形容詞の色と名詞の色の使い分け、初級の副詞のうち呼応副詞の用法、前回の推量の復習、また伝聞の働きをする表現の練習、さらに学習者が私に送ったメールの修正案などの用意をした。レッスンは2時間なので、これらは全部使った。流ちょうに読むための練習では、高低アクセントがどうも上手くいかない。1拍目と2拍目は高低が入れ替わるのを、平板化する。もっと声を出して練習するとなると、現在の場所では周りに迷惑をかけるので、次回から部屋を予約することにした。ところでフィラーは学校では習っていないとのことだった。色は、比較的上手く使い分けていた。呼応副詞は一部、文末あるいは節末での呼応ができないものがあった。伝聞は運用できない文型があった。メール文の修正は、学習者の弱点を狙い撃ちするにはよいが、これをやってしまうと情意面で問題が生じてメールを送りづらくなるのではないかと心配した。この点を学習者に確認したが、さほどショックには感じていないようである。自分が学習者なら嫌な気持ちになると思うので、多分もうやらない。学習者の言う「文型はわかったが、実際の会話でどう使ってよいのか分からない」の意見への対応として、モダリティ的な面から説明しようと一度は決めたが、あまりよい方法ではないように感じてきたので、次回はまたアプローチを変える予定。この特定の学習者にとって、真に役に立つ授業とは何なのか、模索が続く。

 

■ 個人授業3:1時間半:教材自作だが、みんなの日本語の練習Aに準拠

1回:今週は会場の都合により1回できなかったため、2回授業を実施。第1回目の教案・教材作成は6時間。漢字指導は「花、白、黒、大、小」。次週の形容詞の導入に先行して。復習として、「へ」「で」の使い分け、時間の「に」、そして「で」の各機能の確認をした。ハンドアウト上で、助詞だけ抜いた穴あきを書いて埋めさせた。こうすると学習者が分かっているように見えたが、第2回の授業で、運用できるレベルではないことが分かった。この日の本題は、「に」の意味拡張を行った上で、「あげます/もらいます」を含めた3項動詞の導入だった。思ったよりもスイスイ進み、準備段階ではおそらくそこまで達しないだろうと考えていた「もう/まだ」も実施した。

2回:パワーポイント授業の準備に時間を要した。「みんなの日本語」の7課の会話をPPT化するのに14時間。いつも前段には学習者個人にカスタマイズした復習用のスライドを入れることにしているが、今回は会話のPPT化に時間がかかってしまい、前段の作成は2時間しかかけられなかった。今回は教案を作る時間がなかったので、実際の授業時に時間配分に問題を生じた。練習時間も含めると、準備は合計17時間であった。その前段部分には、動詞文の過去/非過去を運用チェックするスライドを入れた。本当はこれだけでなく、「あげます/もらいます」の徹底的な練習を入れたかったのだが、時間がなかった。それはともかく、時を示す語によって動詞文の文末が過去と非過去で変化が生じるということの運用がまだできない。途中で助詞の「へ」と「で」がやっぱり使い分けできていないのが判明。まだ時間はあるだろうと先週のPPTに戻って「へ」と「で」の使い分けのおさらいをした。これが時間を使い、結局後半の会話が最後までできなかった。助詞の問題について書き出すと大変長くなるのでやめておくが、次回の授業で新たな方策を盛り込めないか思案中。「N1のN2」が運用できないのも気になる。これらはつまりのところ、私の教え方が悪いので、とにかく改善の努力をしたい。今回は学習者が明らかに寝不足であり、運用のまずさも眠さの影響かもしれない。しかし学習者は、私と接しているときしか日本語に触れないので、私の責任は重大である。悪条件が重なっても、なにかできることはないか、考えていきたい。

業務記録:Mar17-23, 2019

<個人的なログです>

■ 個人授業1:2時間:教材「できる日本語 初中級(黄色)」

先週お休みだったため、先週用に8時間かけて作った教案・教材を使用した。手直し等はほとんどしなかったので、追加の作業時間はなかった。最初フリートークさせた。学校ではオノマトペを習っていないとのこと。流ちょうに読む練習では高低アクセントと拍に問題がみられた。前者は、1拍目と2拍目を同じ高さで発声するため、1拍目と2拍目は必ず高低が変化することを教えた。拍は、漢字のふりがなが小さく書いてある所を早く読む傾向が見られた。「ん」の発音が「n」「m」「ng」なのか教えてほしいと言われた。別の母語の学習者にも最近言われたことである。これらに加えて「ん」が鼻母音になる語の例がさっと出てこなかったのはお粗末であった。以前この学習者が苦手だった3項動詞のチェックをしたところ、かなり改善されていた。先々週の学習者の意見「学んだ文型を、実際の会話の場面でどう使ったらよいのか分からない」に対応するため、若干実験的ではあるが、推量の「ようだ」「そうだ」「らしい」を練習してみた。具体的なやり方は企業秘密。学習者は熱心なので、不満な様子もなくこれらを練習したが、私の発話が多くなってしまい、どうもこのやり方が最善とは思えない。次回を同じような形でするのが良いのか、1週間悩みつづけている。

 

■ 個人授業3:1時間半:教材自作だが、みんなの日本語の練習Aに準拠

1回:教案・教材作成は6時間。漢字指導は「飲、書、言、買」、語彙は導入よりも自動詞・他動詞の整理をした。名詞文の復習をして、その中で「こそあ」のチェックもした。学習者は、誰が教えたのか、手に持っていれば「これ」、手から離せば「それ」などと面白いことを言っていたが、とりあえずはまあまあな出来だった。「N1のN2」の「の」をなかなか習得してくれないので「みんなの日本語」の第3課・練習B7をやったが、1)の「フランスのワイン」がどうも良くない。学習者曰く「自分はフランスのワインなど、飲むことはないし、買うこともない。どうしてこんな文で練習しなければならないのか」ということだった。真正性のない練習を、練習という目的のためだけに無理矢理やるか、という問題である。学習者の意に染まない練習問題は避けるべきかもしれないが、なかなかそこまで手を尽くすのは難しい。学習者本人が自分のことで発話できるのが良いので、今回は他動詞の目的語を自分の好みで選んでもらう練習をした。動詞文の過去時制が苦手である。

2回:教案・教材作成に4時間。引き続き2項までの動詞文の習得を目指すレッスンである。その一助となると考え、それぞれの助詞の機能も意識してもらうレッスンにした。漢字指導は「立、会、山、川、空」。漢字指導は、書き方を練習するだけで、意味や用法に入り込んで教えていないので、定着出来ない。このままでは単なる時間の無駄になりそうだ。漢字指導をやらないという判断も出来ないので、惰性でやっているような所があり、困っている。語彙導入は動詞だけ、新規のものを2、3。それぞれの助詞の機能を整理させる作業では、英語に頼った。いわゆる直接法には、まったくなっていない。私の教え方が未熟だと言われればそうだとしか言い様がない。「場所+へ」の印象が強いのか、動作の場所の「で」にも「へ」を入れてしまう。「で」について用法整理をしようと準備したが、学習者は3時間しか寝ていないとのことで、能率が上がらず、早々に切り上げるような形となった。

3回:パワーポイント授業を実施。動詞文や助詞を効率的に復習する前半と、「みんなの日本語」の第6課の会話「一緒に行きませんか」を学ぶ後半の2部構成。前半の作成に5時間、後半の作成に8時間。プラス教案作成に1時間。前半部では「へ」と「で」の使い分け、「で」の各用法の整理に重点を置いた。会話「いっしょに行きませんか」には提案、誘いのような、会話としての意味機能があるが、そのあたりも理解してもらえたようである。

 

■ 個人授業4:2時間:教材「Genki I」3章

教案作成に1時間。すでに3回私のレッスンをキャンセルしているので、最終回はどうなるかと思って場所に行ったら、通訳役の人が一緒にいて、今日もできませんとのこと。こういう所は文化・風習の違いもあることだし、こちらの感覚で物を言うわけにもいくまいと思った。学習者4のかたはこれで終了になる。Genkiの3章だけでもみっちりやりたかった。

 

業務記録:Mar10-16, 2019

<個人的なログです>

■ 個人授業1:2時間:教材「できる日本語 初中級(黄色)」

教案・教材作成に8時間。先週の学習者の意見「学んだ文型を、実際の会話の場面でどう使ったらよいのか分からない」に対応するための方策を考え、教材化したため、時間ががかった。ところが、学習者の体調不良で、今週はお休み。

 

■ 個人授業2:2時間:教材「Genki I」14章

諸般の事情から先週を最後として、学習者2への日本語授業はやめることになった。

 

■ 個人授業3:1時間半:教材自作だが、みんなの日本語の練習Aに準拠

1回:教案・教材作成は4時間。漢字指導は「年、来、毎」、語彙導入は「毎日毎週・・」と移動を伴う自動詞「行きます、来ます、帰ります」。先ず名詞述語文の復習から実施。「分」が「ふ」か「ぷ」か、まだ定着していない。「から~まで」が運用できない。本日の学習内容は大きく2つあり、1つは前回導入した自動詞と時を表す表現を組み合わせて、過去/非過去と肯定/否定の4パターンを導入すること。もう一つは助詞「へ」「で」との組み合わせで、移動の自動詞を使えるようになること。ハンドアウトを見ながらなので、比較的早く進んだ。

2回:教案・教材作成に4時間。通常は「みんなの日本語」に準拠しているが、学習者4と同じレベルであり、今回は特別にGenki3章を使った。漢字指導は「食、見、話、読、聞」、語彙導入は本日文型導入する基本的な他動詞。名詞述語文、時を含む自動詞文、および移動の自動詞文の最小限の復習を実施してから、本題に入った。本日はハンドアウトに書き込む作業をさせた。書く作業は時間がかかる、とは言われるが、学習者が自分で手を動かすので、多少頭脳の働きを活性化する効能はあるように感じた。本題は他動詞の導入。助詞「を」「に」「で」を組み合わせながらの練習になったが、比較的上手く進んだように思えた。ただし、ハンドアウトを見ながら入れ替えをしているだけなので、運用ができている訳ではないということが、3回目の授業で分かった。

3回:本来は学習者4用のパワーポイントを使った授業をしようと考えていたのだが、学習者4用にパワーポイントを作る必要がなくなった。学習者3が会話の勉強もしたいと言ったこともあり、以前「できる日本語」2-3のレストランの注文をPPT化したものを用いた。そのPPTに復習の前段を設ける作業が4時間かかった。学習者は寝坊して遅刻したため、大変眠そうであり、反応も鈍かった。学習者の発話が大変遅く、時間が足りなくなった。また、本日はパワーポイント授業のためハンドアウト無しとしたが、それ無しで自分で考えて作文するとなると、やはり文型等が運用できないことがわかる。短い授業時間の中で文型を定着させて、運用できるようにするには、いったいどうすればよいか。

 

■ 個人授業4:2時間:教材「Genki I」3章

教案作成に1時間。なるべく教科書を利用する形にしているので、教材を作る時間はかからない。ただし教案作成1時間というのはやはり、準備としては足りないものである。助詞「に」は、学習者3に教えたばかりのこともあり、「動作の時」で導入されるとばかり思い込んでいたが、Genkiでは「へ」と紛らわしい「移動の到着点」から導入なので、焦ってしまった。できる所までやって、残りは2回目にして、3回目はパワーポイント化した授業で「デートの約束」の会話部分をやろうと計画していたが、学習者4の都合で2回目3回目ともお流れ。こちらの士気が若干下がらないわけでもない気分となった。今週は学習者1も休みだったので、予想外に時間が空いた。自分自身負荷をかけ過ぎな感じもあるので、まあこういうこともあって良いか、と思った。