Class Activities Record of “Japanese Conversation 4”: 1st-class in Spring Semester 2022

教科名:日語会話4

対象:外国語学院 日本語学科の2年生

教科書:新経典日本語 会話教程 第二冊、第2版 第9課~16課 

実施日時:(第1回目)

A組 3月1日(火) 08:05~09:25、27名出席(1名は出席登録なし)

B組 3月3日(木) 08:05~09:25、27名出席(1名は出席登録なし)、1名欠席

授業内容:

1.授業前の出欠クイズ

問い:次の文の[X]と[Y]には、何が入りますか。

文:昔むかし、あるところに おじいさんとおばあさん[X]いました。ある日、おじいさん[Y]山へ しば刈りに、おばあさん[Y]川へ洗濯に行きました。

A:[X]=は、[Y]=が

B:[X]=が、[Y]=は

正解はBです。

A組;回答26名、正答B17名、誤答A9名

B組;回答26名、正答B22名、誤答A4名

[X]には新情報として「が」が使われます。「が」を使って、おじいさんとおばあさんが登場しましたから、次におじいさんとおばあさんが出てくるときは旧情報の「は」が[Y]に使われます。この2つある[Y=は]は、おじいさんと、おばあさんを対比する役割もあります。

2.日本語概説1:主語と述語

(1)主語と述語:主語と述語が対応することを確認します。

(2)文で一番大切なのは述語(文末)です。

(3)クイズ1問目:

クイズ1問目の問題と選択肢

正解はAです。

A組;回答27名、正答A24名、誤答D3名

B組;回答27名、正答A26名、誤答D1名

文を推敲するとき、主語と述語が対応しているか、確認することは大切です。しかし、その確認をするためには、まず主語が何か、述語が何かわからなければなりません。述語は文末にありますから、探す苦労はありません。一方、主語の方は、どれが主語なのか、探さなければなりません。このクイズの目的は、正しく主語を見つけられるかどうか、調べることでした。ヒントは、助詞の「は」か「が」が付いている言葉です。言葉を学習するときは主語が何か、わかる力がなければいけません。正確に主語を見つけられるようにしましょう。

3.ちょっと腕試し(2限の前のミニ・トピック):格助詞「と」の各種用法

  

4.日本語概説2:助詞の働き

(1) クイズ2問目:

クイズ2問目の問題と選択肢

正解はGです。

A組:回答27名、正答G17名、誤答各種10名

B組:回答27名、正答G18名、誤答各種9名

AからFには多少不自然な語順の文もありますが、明確な文法間違いと言える文はありません。助詞は順番で決まるのではなく、機能で決まります。助詞のおかげで、日本語の語順には自由度があります。

4.動詞述語文

 過去/非過去、肯定/否定での文末パターン

 自動詞と他動詞の違い 

 「人に物を」のやりもらい文

5.まとめ

・宿題の暗記文

 わたしは ミラーさんに 辞書を 貸して あげました。

・終わりの作文

Task:次の文を作りなさい。主語「私は」です(書かない)。

   [人]に [物]を もらいました。

例1:友だちに 日本のおみやげを もらいました。


雑記1:

 2台のパソコンを使用してオンライン授業を行っています。1台はDingtalkに接続するためのパソコンです。もう1台はプロジェクター投影してプレゼンを行うためのパソコンです。普段はDingtalk用のパソコンでパワーポイントを作っていて、授業の前にデータをプレゼン用パソコンに移します。前学期まではUSBドライブでコピーしていましたが、今回、マイクロソフトのOne-driveでのデータ共有を試みました。問題点が2つありました。

1,One-driveへのデータ転送は時間がかかります。授業直前にパワーポイントのデータをOne-driveに置いても、もう一台のパソコンで使用可能になるまで数分かかります。

2,エプソンのプロジェクターの電波はインターネットwifiを圧倒してしまうので、プロジェクターに電源を入れると、インターネットが使えなくなり、当然、One-driveでのデータ受け渡しもできなくなります。

上記のような問題がオンライン授業直前に発生すると、慌てます。今日は結局、USBドライブでパワーポイントのデータをコピーしました。ローテクの方が確実性が高いという一例でした。

雑記2:

 こうした記録は、常体(普通体、だ・である調)で書くのが普通ですが、それをすると、読んだ学生がまねをします。学生の多くは「です・ます調」と「だ・である調」の使い分けを知りません。ともすれば短い「だ・である調」で日本語を書く癖が付きます。そうすると、日本人向けに日本語を書いたときなど、乱暴な文体で日本人のひんしゅくを買うことが想定されます。ですから、私としては面倒くさいですが、この文章は「です・ます調」で書こうと思っています。

日語会話3出席登録時のクイズ(第1回から10回まで)

日語会話3は日本語学科2年生の1学期に開講している授業である。当教師は地理的制約により、オンライン形式で授業している。学生の出席は投票ツールで管理しているが、単に出席のボタンを押すだけでは記録の役割しか果たさない。そこで、毎回クイズの形式にして、回答すれば出席として記録することにした。今学期の授業回数に合わせて、クイズは三十数問用意してある。現在この学期は第6週目に入り、クイズも10回実施したので、ここで解答と学生の回答結果等をまとめることにした。 最初の10回には、第二言語を学習するために必要となるメタ知識を問うクイズにしたいと考えた。11回以降は、より日本語の知識を問うクイズにしたいと考えている。

1問目:8月30日(月)実施

文「私は大学生です。」が あります。
A:「私は」が主語で、「大学生です」が述語です。
B:「私は」が述語で、「大学生です」が主語です。

正答はAである。学生の回答はAが21名、Bが0名であった。文を分析するとき、もっとも基本となるのは主部と述部を認識することである(ここでは主部と主語、述部と述語の区別は気にしない)。日本語では、述部の後ろ、つまり文の一番最後が重要であることを折に触れて説明していきたいと考えている。

2問目9月2日(木) 実施

文「私は大学生です。」が あります。
A:この文は名詞述語文です。
B:この文は形容詞述語文です。
C:この文は動詞述語文です。

正答はAである。学生の回答はAが24名、BとCはともに0名であった。日本語の場合は形容詞述語文をさらに2つに分けて、ナ形容詞述語文とイ形容詞述語文として理解することが必要である。第2言語学習では学習の順序として、名詞述語文から学習を始めるのが良いと思われる。

3問目 9月9日木曜日1-2限 実施

文「メアリーさんは きれいです。」があります。
A:この文は名詞述語文です。
B:この文はナ形容詞述語文です。
C:この文はイ形容詞述語文です。
D:この文は動詞述語文です。

正答はBである。学生の回答はAが0名、Bが22名、Cが6名、Dが0名であった。「きれい」は「い」があるから間違えやすいが、イ形容詞ではなく、「きれいな」というナ形容詞である。

4問目 9月9日木曜日5-6限 実施

文「海で泳ぎます。」が あります。
A:この文は名詞述語文です。
B:この文はナ形容詞述語文です。
C:この文はイ形容詞述語文です。
D:この文は動詞述語文です。

正答はDである。学生の回答は27人すべて正答のDであった。比較的分かりやすい問だったと思われる。動詞述語では文末が「ます。」であるが、学生の発話では名詞述語等との混同が起きて「×泳ぎです。」などがよく聞かれる。

5問目 9月14日火曜日実施

文「今日は寒いです。」があります。
A:この文は名詞述語文です。
B:この文はナ形容詞述語文です。
C:この文はイ形容詞述語文です。
D:この文は動詞述語文です。

正答はCである。学生の回答はAが1名、Bが2名、Cが24名、Dが0名であった。

6問目 9月16日木曜日実施

「赤い花」という表現が あります。

A:「赤い」が修飾語で、「花」が被修飾語です。
B:「赤い」が被修飾語で、「花」が修飾語です。

正答はAである。学生の回答は27人すべてが正答であった。漢字が手掛かりになったと考えられる。日本語は修飾語が前で、被修飾語が後ろになる。

7問目 9月23日木曜日実施

動詞「作る」は「作らない」「作ります」「作る」「作れば」「作ろう」と形を変えます。
A:形を変えることを修飾と呼びます。
B:形を変えることを活用と呼びます。

正答はBである。学生の回答はAが2名、Bが25名であった。日本語は動詞だけではなく、形容詞や助動詞も活用するので、学生には「活用」という言葉を知っておいてもらいたい。

8問目 9月28日火曜日実施

AとBのうち正しいものを選びなさい。
A:名詞は活用しますから、用言と呼びます。
B:名詞は活用しません。体言と呼びます。

正答はBである。学生の回答はAが9名で、Bが17名であった。9名も誤答したのは意外だった。日本語の名詞は活用しない。単数か複数かの区別も表記上現れない語が多い。名詞は活用しないのであるが、活用語の説明のときに「連体形」の語を使うので、「体言と呼びます」という部分を学生に認識してほしい。

9問目 9月30日木曜日実施

文1「私は学校に行きます。」
文2「私はご飯を作ります。」
A:文1は他動詞文で、文2は自動詞文です。
B:文1は自動詞文で、文2は他動詞文です。
C:文1と文2は両方、名詞述語文です。

正答はBである。学生の回答はAが4名、Bが20名、Cが2名であった。文末が「ます。」なので、名詞述語文ではないことに気づかなければならない。しかし、そのような文法知識からの判別ではなく、動作を述べていることから動詞述語文であることが分からなければならないだろう。動詞述語文でも自動詞文か他動詞文かは主語や助詞の選択に影響を及ぼす。学生にまず認識してほしいのは、他動詞はその動作対象を「~を」で表すということである。

10問目 10月5日火曜日実施 

文「私は水餃子を食べます。」があります。
A:「私は」が目的語です。
B:「水餃子を」が目的語です。
C:「食べます」が目的語です。

正答はBである。学生の回答はAが0名、Bが8名、Cが18名であり、誤答が多数を占めた。日本語は他動詞文の語順がSOVとなる。SOVとは主語、目的語、動詞の順番で文が構成されることを表している。英語のSVOとの大きな違いである。目的語とは、動詞の動作の対象となる名詞のことである。学生は「私は」が主語であることは分かったであろう。残るBとCのうち、動作の対象となる名詞は水餃子である。動作の対象であることを表すために助詞「を」が使われることも理解してもらいたい。

最初の10問の回答解説は以上である。次回以降はより日本語特有の文法問題をクイズにすることにしている。なお、学生諸氏には気を付けてもらいたいが、この文章は報告文であるから、文体に「だ・である体」を使っている。学生の作文でよくないことは、「です・ます体」と「だ・である体」を混合して書くことである。作文するときは文体を統一するように、いつも注意しなければならない。

A Post as a Preparation for Coming Fall Semester

It will surely be exhausting. They imposed me four subjects that should be taught in coming fall semester. I am serious, I mean I don’t want to get workaholic death. I have to prepare for teaching four subjects well during summer break in order to avoid the worst case. This post has no useful information, and this is just for testing purpose. Sorry about that.

Answers of Mid-Term Exam 2: Japanese Business Manner

第2回小テスト(第13週)の解答および解説

試験範囲:教科書の87~115ページ

実施日 :2021年5月31日

1.リスニング問題

第01問 ナレッジ・マネジメント
 これから言う説明は、AからEの、どの言葉の説明ですか。1つ選びなさい。
説明:企業内外の情報・知識や、社員個人が持っているノウハウなどを全社的に収集・管理・共有して、効率の良い情報伝達や知識の共有化を図ります。そして、これらの知識資産を新たな行動の意志決定にも活かします。

A:モチベーション
B:ナレッジ・マネジメント
C:リスク・マネジメント
D:コンセプチュアル・スキル
E:モノのインターネット(IoT)

正答:B
解説:定義どおりなので解説は省略する。

第02問 身だしなみの3原則
 これから言う説明は、AからEの、どの言葉の説明ですか。1つ選びなさい。
説明:着ている服や履いている靴など、身に付ける物には清潔感がなければなりません。また、ビジネスの場に合った機能性のある服装をします。そして、個性を主張するのではなく、すべての人に受け入れられる服装をしましょう。会社のイメージや、職場の中での調和も大切です。

A:第一印象
B:チームワーク
C:身だしなみの3原則
D:社会人としての自覚
E:社会人としての言葉遣い

正答:C
解説:説明にある清潔感、機能性、調和の3つが身だしなみの3原則である。Aの第一印象もやや可能性のある選択肢だが、職場の中での調和は第一印象だけではなく、持続的である。

第03問 敬語
 これから言う説明は、AからEの、どの言葉の説明ですか。1つ選びなさい。 説明:大きく分けると尊敬語、謙譲語、丁寧語の3つに分類されます。

A:敬語
B:美化語
C:丁重語
D:接遇用語
E:応対用語

正答:A
解説:現在、敬語の分類は5種類に増えている。すなわち謙譲語を謙譲語Iと謙譲語IIに分類し、丁寧語を丁寧語と美化語に分類し、尊敬語と合わせて5分類である。ただし、敬語の基本を理解するためには、従来の3分類も役に立つ考え方である。

第04問 敬語の使用場面
 これから聞く言葉は、学生が教師に言います。しかし、良くない言い方です。どうして良くないのか、AからEの中から理由を1つ選びなさい。
「先生、こんにちは。先生は昨日、東京ディズニーランドへ行ったんだって?楽しかった?」

A:敬語を使っているが、尊敬語にするところに謙譲語を使っている。
B:敬語を使っているが、謙譲語にするところに尊敬語を使っている。
C:尊敬語を2つ連続させる二重敬語を使っている。
D:丁寧体で話していて、尊敬語を使っていない。
E:友達言葉で話していて、敬語を使っていない。

正答:E
解説:教師に友達言葉で話しかけてはならない。学生が教師に向かって話すとき、教師の動作には尊敬語を使い、自分の動作には謙譲語を使うべきである。もし、それが難しければ、丁寧語を使うべきである。日本語で話すときは 相手や状況によりスピーチレベルを適切に使い分けなければならない。

第05問 尊敬語専用の動詞
 これから聞く説明の「ピーン」という音の所に入る言葉は何ですか。1つ選びなさい。
説明:尊敬語の作り方は3つあります。その1つは普段使っている動詞を尊敬語専用の動詞にする方法です。たとえば、動詞「行きます」「来ます」「います」は尊敬語専用の動詞にすると「ピーン」になります。

A:参ります
B:伺います
C:いらっしゃいます
D:お行きになります
E:行かれます

正答:C
解説:普段使う動詞と尊敬語専用の動詞の対応をおぼえておく必要がある。大変なようだが、尊敬語専用の動詞が表す動作は基本的なものである。そのため、それほど数は多くない。

第06問 「おVになります」
 これから説明する敬語表現はAからEのうち、どれになりますか。1つ選びなさい。
説明:尊敬語の作り方は3つあります。その1つは「お・なになに・になります」または「ご・なになに・になります」です。和語の動詞のとき、「お・なになに・になります」になって、漢語の動詞のとき、「ご・なになに・になります」になることが多いです。

A:社長はもう今日の新聞を読まれました。
B:社長はもうご自宅にお帰りになりました。
C:そのお弁当は 伊藤先生が 召し上がります。
D:さっそく先生の論文を拝見します。
E:明日の午後3時にうかがいます。

正答:B
解説:Aは「れる/られる」を用いた尊敬の表現であり、Cは尊敬語専用の動詞を用いている。DとEは謙譲の表現であるので不適である。

第07問 「れる/られる」
 尊敬語の作り方は3つあります。その1つは動詞を「れる/られる」の形にする方法です。しかし、「れる/られる」は受身や可能のときもあります。これから言う1と2は尊敬、受身、可能のどれですか。AからEのなかから 正しいものを1つ選びなさい。
1:彼からの手紙を母に読まれました。 2:部長、今朝の新聞をもう読まれましたか。

A:1は受身で、2は尊敬です。
B:1は受身で、2も受身です。
C:1は受身で、2は可能です。
D:1は尊敬で、2も尊敬です。
E:1は尊敬で、2は受身です。

正答:A
解説:文意から明らかであるが、1は主語が「私」で被害を受けていること、2は主語が「部長」で「読む」動作の主体であることを理解しなければならない。

第08問 尊敬語と謙譲語の混同
 これから言うA、B、C、D、Eの中で、尊敬語と謙譲語の区別を間違えて使っているのはどれですか。1つ選びなさい。

A:入口で今日のプログラムをいただいてください。
B:1階のロビーにお集まりください。
C:当日資料をお配りになる方は、事前にご用意ください。
D:先生がお書きになった本を、さっそく拝見しました。
E:御社の鈴木様に、あす お会いすることになっています。

正答:A
解説:「いただく」は「もらう」「食べる」「飲む」の謙譲語である。したがって、お客様など、敬意を表す対象の人の動作に使うことはできない。Bは「お/ご~くださる」という形式の尊敬語である。Cは尊敬で、Dは前半が尊敬で後半が謙譲、Eは謙譲である。

第09問 二重敬語
 これから言うA、B、C、D、Eの中で、二重敬語の間違いをしているものはどれですか。1つ選びなさい。

A:90歳でも、毎日散歩なさいます。
B:これから会議だと部長はおっしゃいました。
C:傘をお持ちになられましたか。
D:では、あすも こちらに参ります。
E:先生も臭豆腐を召し上がりました。

正答:C
解説:Cは丁寧体で言えば「傘を持ちましたか」になる。これを「おVになる」の尊敬語にするなら「お持ちになりましたか」になる。「れる/られる」の尊敬語にするなら「持たれましたか」になる。「お持ちになる」の「なる」をさらに「れる/られる」にして「お持ちに・なられ」としたので、二重敬語にあたる。

第10問 クレーム対応
 これからお客様のクレームを聞きます。このクレームに対応するとき、一番いいのはどれですか。1つ選びなさい。
クレーム:「そっちの店で昨日買ったばかりの傘なんだけどね、開こうとしたら傘の骨が折れていたよ。おかげで雨に濡れて帰ったんだ。」

A:ええと、担当の者に変わります。少々お待ちください。
B:買う前に開くかどうか試して見れば良かったです。
C:それは本当にこの店で買った物ですか。
D:それでは返品と返金方法について、説明いたします。
E:申し訳ありません。冷たい雨の中、お客様がお怒りになるのは無理もありません。

正答:E
解説:まず、お客様の気持ちに共感していることを表明する。Dは事務的な対応だけで、お客様の怒りに対する共感が見られない。BやCはお客様を怒らせてしまうだろう。もし電話を受けた自分がどうしてよいのか分からない場合は、Aのように言って電話を保留状態にして、その間に上司に相談する方法もあるだろうが、それは次善の策であり、まずはEが一番よい。

2.読んで答える問題

第11問 チームワーク
 チームワークに関して、間違っているものを1つ選びなさい。

A:一人ひとりの目標達成がチームの目標達成にもつながっている。
B:一人ひとりのモチベーションを高めることが必要である。
C:自分の意見が違っても、チームの出した結論に従う。
D:リーダーの指示が変だと思っても、質問や提言はしないで、その指示に従う。
E:チームの構成員同士で連携し、効率的な情報共有をする。

正答:D
解説:入社したばかりのときは、上司の指示どおりに仕事を処理した方が無理や無駄のないことも多いので、多少変だと思っても言われたとおりにやってみることは必要である。ただし、ある程度の経験を積んだときに、リーダーの指示が変だと思ったら、まず相談してリーダーの意図を理解することから始めるべきだろう。

第12問 身だしなみ
 社会人としての身だしなみについて、間違っているものを1つ選びなさい。

A:スーツは濃紺やグレーなど落ち着いた色にする。
B:頭や体から嫌な臭いがしないように香水を使う。
C:女性は薄く化粧する。派手な色合いや厚化粧は避ける。
D:シャツの襟元や袖口は汚れやすいので、清潔にする。
E:女性はスカートのとき、素足にしないで、肌に近い色のストッキングをはく。

正答:B
解説:身だしなみの3原則の1つは清潔感である。清潔にしていれば、そんなに匂わないはずである。仕事の場に出るとき、香水は基本的につけない。自分には香りだと感じられても、他の人は嫌な臭いだと感じることもある。

第13問 「ウチ・ソト」の使い分け
 仕事上の会話では「ウチ・ソト」の使い分けがあります。次の文の[①]と[②]に入る言葉を正しく組み合わせたものはAからEのうちどれですか。
・あなたは課員です。課長と話しています。あなたが言います。
「部長は現場の事故のことをもう[①]。」
・あなたは他の会社の人と話しています。あなたが言います。
「弊社の部長は 御社の田中様をよく[②]。」

A:①存じております   ②知っているよ
B:①存じております   ②ご存知です
C:①ご存知です     ② 知っているよ
D:①ご存知です     ② 存じております
E:①知っているね    ②知っているよ

正答:D
解説:自分の会社の中で話しているとき、つまり「ウチ」の人との会話であるから、部長のような偉い人の動作については当然尊敬語を使う。「知っています」の尊敬語は「ご存知です」であり、「存じております」ではない。
一方、他の会社の人と話しているときは「ソト」の人との会話である。「ウチ」の中では部長は偉い人だが、「ソト」の人に部長の動作を伝える時は謙譲語を使う。「知っています」の謙譲語は「存じております」である。

第14問 八大用語
 応対用語に「八大用語」と呼ばれるものがあります。丁寧体や普通体で言う場合(ア)とそれとほぼ同じ意味の八大用語(イ)をAからEに書いてあります。この中で(ア)と(イ)の組み合わせが間違っているものを1つ選びなさい。

A:(ア)来てくれて、ありがとう  (イ)いらっしゃいませ
B:(ア)わざわざ、どうもありがとう(イ)恐れ入ります
C:(ア)協力してもらえませんか  (イ)恐れ入りますが
D:(ア)ちょっと待ってください  (イ)少々お待ちくださいませ
E:(ア)すみません        (イ)かしこまりました

正答:E
解説:Eの「すみません」は謝罪や呼びかけに使うが、「かしこまりました」は命令や依頼を丁重に受諾する言葉である。そのため、同じ意味にはならない。Eの(ア)と(イ)を対応させると次のようになる。
(ア)すみません(謝罪)    (イ)申し訳ありません
(ア)わかりました       (イ)かしこまりました

第15問 クッション言葉
 言いたいことを単刀直入に言うのではなく、前置きにクッション言葉を言うと、柔らかい印象を与えます。次のAからEのうち、下線部のクッション言葉と、そのあとの言葉が合っていないものを1つ選びなさい。

A:失礼ですが、佐藤は今、他の電話に出ております。
B:恐れ入りますが、ここから先への立入はご遠慮ください。
C:お手数をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。
D:恐縮ですが、ご理解いただければと思います。
E:さしつかえなければ、ご参加ください。

正答:A
解説:「失礼ですが」は、相手にとって失礼かもしれないことを これからしますという予告のためのクッション言葉である。同僚の佐藤が現在他の電話に出ているという事態はすでに発生していて、これから発生する事態ではない。Aは「失礼ですが、」ではなく、「あいにく、」「申し訳ございませんが、」などがよい。

第16問 指示や命令を受けるとき
 仕事で指示や命令を受けるときに注意する点がAからEに書いてあります。ただし1つだけ間違っているものがありますから、それを選びなさい。

A:上司から呼ばれたら、すぐに「はい」と返事をする。
B:上司のところへ行くときは、筆記できるようにメモ用紙と筆記用具を持って行く。
C:普段の自分の職務内容から外れているような指示は受けつけない。
D:いつまでに完成させる仕事なのか、必ず確認する。
E:複数の業務があって、優先順位に迷う場合は上司に相談する。

正答:C
解説:通常、上司からの指示は断れない。断るとしたら相当の理由がなければならない。一方で、仕事では各人に職務の割当てがあって、課内のAさんの仕事はこれ、Bさんの仕事はこれと決まっているのが普通である。AさんがBさんの担当範囲に食い込むようなことは、上司の指示がなければやってはいけない。上司が現在の職務内容から外れることを指示するのは、いろいろな状況が考えられる。部下の職務範囲を拡げて能力を伸ばしてやりたいという場合もある。そこで部下が「それは私の仕事ではありません」などと言ったら、上司はがっかりするだろう。

第17問 説明や提案をするとき
 説明や提案をするときの注意点がAからEに書いてあります。ただし1つだけ良くないものがありますから、それを選びなさい。

A:説明する自分自身が内容をよく理解しなければならない。
B:重要度の低い細部の説明から始めて、結論を示すのは最後にする。
C:説明の途中で相手が理解しているか確認しながら説明を進める。
D:複数の案があるときは、各案の利点と欠点を整理し、総合評価に◎○△×のような順位をつけるとよい。
E:自分の提案に固執し過ぎない。良い対案があれば取り入れて再提案することも良い。

正答:B
解説:結論を先にいって、その後に説明をするのがよい。その際、話の全体像や、何分ぐらいかかるかも述べた方が、聞く方としては安心して聞くことができる。

第18問 注意・忠告されたとき
 注意されたとき、忠告されたときに、どうしますか。間違っているものを1つ選びなさい、

A:注意・忠告は真面目な態度で聞き、言ってくれた人に感謝を伝える。
B:相手や関係者にお詫びするときは、弁解や責任転嫁をしないようにする。
C:感情的にならないようにして、自分の言動を冷静にふり返る。
D:注意・忠告してくれた人には、そのあと、なるべく近づかない方がよい。
E:信頼回復などリカバリーのために、自分に何ができるか考える。

正答:D
解説:心情的には避けたくなるが、その人の注意・忠告を受け止めて自分がどう行動・対処したのかを、ときを見計らって報告するのが良いだろう。

第19問 依頼するとき
 仕事で何かを依頼するときに、正しいものを1つ選びなさい。

A:仕事上の依頼なのだから、頼まれた人はやってくれて当然である。
B:相手が忙しくても、自分の予定を最優先して頼むタイミングを決める。
C:依頼する仕事をいつまでにやってほしいかは、確定しない方がよい。
D:自分の依頼を受諾しなかった人にお礼を言う必要はない。
E:頼むときと受け取るときだけでなく、途中でも相手に連絡して進捗確認をする。

正答:E
解説: 相手の人の作業が、自分の意図とは違った方向に進んでいるかもしれない。あるいは、相手の人は作業を開始しないまま、時が過ぎていくかもしれない。そのままにしていると、受け取るときに、ぜんぜん使えない成果が上がってくるか、最悪は何も成果がないこともあり得る。そのため、仕事を依頼したときは期間の途中途中で相手に連絡して、進捗確認をするべきである。
A,B,Dはとんでもない態度である。また、Cについては、依頼する方も依頼される方も、いつまでにその仕事を完成させるのか、お互いしっかり確認するようにする。

第20問 断るとき
 仕事で頼まれたことに対し、断らなければならない状況にあります。その時の対応として間違っているものを1つ選びなさい。

A:断ることをお詫びする。
B:断ることを決心したら、依頼した人にできるだけ早く伝える。
C:断る意志を明確にして、相手に余計な期待を持たせない。
D:依頼した人との関係を考慮して、断る理由は適当に変えてもよい。
E:断ることを承諾してくれたら、お礼を言う。

正答:D
解説:断る理由は正直に本当の話をした方がよい。「嘘も方便」などということは決してない。嘘は必ずばれる。

まだ採点していませんが、とりあえず解答をアップします。

Answers of Mid-Term Exam 1: Japanese Business Manner

第1回小テスト(第06週)の解答および解説

試験範囲:教科書の002~087ページ

実施日 :2021年4月12日 月曜日

1.リスニング問題


第01問 個人の職務能力
 これから言う説明は、AからEの、どの言葉の説明ですか。1つ選びなさい。
説明:仕事を何年も続けると、多くの経験を積み、高い技能を自分のものにしていきます。このように職業能力が高くなっていく過程や高くなった状態を言います。

A:ブランド
B:キャリア
C:チームワーク
D:コミュニケーション
E:コンセプチュアル・スキル

正答:B

解説:
 定義どおりなので説明は省略する。ただし正答率は低く、23%である。誤答はE,C,Dの順に多い。正解のB以外の選択も教科書にある言葉であるが、一般的に、カタカナ語は学習者にとってはわかりにくいものである。


第02問 社会の中の企業
 これから言う説明は、AからEの、どの言葉の説明ですか。1つ選びなさい。
説明:企業は健全な経営をして、社会的責任を果たします。その前提として、企業は法律、社会規範、企業倫理を守らなければなりません。

A:アサイン
B:トップ・マネジメント
C:コラボレーション
D:コンプライアンス
E:アライアンス

正答:D

解説: コンプライアンスは一般的には「法令遵守」と訳されるが、説明のように社会規範や企業倫理も含むものだと考えられる。
 カタカナ語であるため、この問題も正答率があまり良くなく、54%である。誤答はCのコラボレーションが多い。


第03問 業務の改善
 これから言う説明は、AからEの、どの言葉の説明ですか。1つ選びなさい。
説明:計画・立案のプラン、実施・実行のドゥー、点検・評価のチェック、そして処置・改善のアクトをします。これを1回やったら、次に繰り返すときには、1回目よりも上手にやって、継続的に仕事のやり方を良くしていきます。

A:見える化
B:QC活動
C:エックス バーR管理法
D:コーポレート・ガバナンス
E:PDCAサイクル

正答:E

解説:PDCAサイクルの重要な点は、やったことを評価し、次にやるときに改善されるよう行動するということである。やりっ放しで評価も改善もしないで漫然と惰性で繰り返している仕事が案外多い。
 正答率は73%でやや良い。誤答はBとDがやや多い。BのQC活動は授業中に説明していない用語である。


第04問 リスクマネジメント
 これから言う説明は、AからEの、どの言葉の説明ですか。1つ選びなさい。
説明:企業活動を続ける中で発生が予想される各種のリスクに対して、日常的に準備や予防的な対策をとることです。また、危機的な状況が発生してしまったときは、適切な対応をすばやく行うことです。

A:リスク評価
B:リスク移転
C:リスク・マネジメント
D:予防的措置
E:リスク対応経験の知識管理

正答:C

解説:A,B,D,Eはリスクマネジメントの一環として行うものであり、説明文で言っていることを総称するとCのリスクマネジメントになる。
 正答率は42%で低い。誤答はBとDが多い。


第05問 労働者の休暇
 これから言う説明は、AからEの、どの言葉の説明ですか。1つ選びなさい。
説明:会社を休んでも、給料が減らされない休暇のことです。会社に入ってから6か月以上ちゃんと働いた社員に与えられます。その会社に長く勤めた人は1年間に20日の休暇が与えられます。

A:年次有給休暇
B:介護休暇
C:裁量労働時間制
D:永年勤続者特別休暇
E:育児休業

正答:A

解説:年次有給休暇は労働者の権利である。会社の上司に許してもらって休むようなものではない。とはいっても、なかなか有給休暇は取得しにくく、毎年何日も余してしまうことが多い。2019年4月から、10日以上有給休暇がもらえる人は、計画的に5日間休むことが義務づけられた。残りの日数は本人が自由に取得する休暇として使える。
 この問題以降は第9問を除いてカタカナ語ではないため、正答率は高くなった。ただし、回答しているうちに難しさを感じ,だんだんとルームメイト同士で教え合うようになったために、後ろの問題ほど正答率が上がるという結果になったのかもしれない。
 この問題の正答率は65%であった。誤答はDが多い。説明にある「その会社に長く勤めた人は」によってDを選んだと考えられるが、Dは授業中に説明していない用語である。


第06問 年金保険制度
 これから言う説明は、AからEの、どの言葉の説明ですか。1つ選びなさい。
説明:働く人とその家族が病気やケガをしたとき、子どもを産んだとき、亡くなったときに、医療費や手当金を支払います。年金とは違います。病気になったときなどの短い期間だけ、支払われます。会社で働く人は会社の組合に入ります。

A:健康税
B:雇用保険
C:労災保険
D:厚生年金
E:健康保険

正答:E

解説:国民健康保険か、あるいは会社の健康保険組合に入っていれば、病院に行ったときの診察料は3割負担で済む。そのため、日本で病院に行くときは健康保険証を必ず持って行く。何回か通院する場合は、月の初めの通院の時に、診察券とともに健康保険証を提示する。
 正答率は73%であった。誤答はCが多いが、健康保険と労災保険の違いは授業中に説明してある。


第07問 求職者の支援
 これから言う説明は、AからEの、どの言葉の説明ですか。1つ選びなさい。
説明:人々が仕事を見つけられるように、国が設置している行政機関です。一般的には「ハローワーク」と呼ばれます。仕事に就きたい人の相談にのったり、仕事を紹介したり、就職ができるようにいろいろな支援を行っています。

A:年金事務所
B:公共職業安定所
C:労働基準監督署
D:厚生労働省労働局
E:職業能力開発校

正答:B

解説:特に説明は必要ないと思われる。正答率も84%と高かった。


第08問 国民の義務
 これから言う説明は、AからEの、どの言葉の説明ですか。1つ選びなさい。
説明:国や地方自治体に払うお金です。このお金を払う義務があると、日本の憲法に書いてあります。お金をたくさん稼いだり、家や土地などの資産を多く持っていたり、商売でたくさんの売り上げがあると、多くのお金を払うことになります。このお金は公共サービスのために使ったり、お金持ちのお金を貧しい人に分けたり、経済の勢いを調整することなどに使います。

A:税金
B:年金
C:社会保険料
D:国債・地方債
E:地方交付税交付金

正答:A

解説:これも特に解説の必要はないであろう。正答率は77%である。税金は単に公共サービスの必要経費として使われるだけではなく、いくつかの機能があることを理解してほしかった。


第09問 コミュニケーション
 これから言う説明は、AからEの、どの言葉の説明ですか。1つ選びなさい。
説明:コミュニケーションには言葉による伝達と、言葉以外の伝達があります。言葉以外の伝達は、声の高さや低さ、顔の表情、視線の向け方、身振りや手振り、姿勢や相手との位置関係などがあります。コミュニケーションでは、これらの言葉以外の伝達が、言葉そのものよりも重要な役割を果たすことがあります。

A:ホウレンソウ(報告・連絡・相談)
B:ツー・ウェイ・コミュニケーション
C:ノンバーバル・コミュニケーション
D:コンセプチュアル・スキル
E:フィードバック

正答:C

解説:(略)といいたいところだが、あえて蛇足を書くならば、第二言語を学習する者は、ボディ・ランゲージに頼りすぎないように気を付けた方が良い。
 カタカナ語ではあるものの、わかりやすかったらしく、正答率は96%だった。


第10問 お客様との信頼関係
 これから言う説明は、AからEの、どの言葉の説明ですか。1つ選びなさい。
説明:顧客が満足できる条件を企業が提供しているかどうかを 総合的に判断するための指標です。この指標が高いと、企業と顧客の間の信頼関係があるとされています。

A:他の人への推奨度
B:リピーター率
C:社外コミュニケーション
D:モチベーション
E:顧客満足度

正答:E

解説:(略)。正答率は65%だった。誤答はCとDが多かった。おそらく説明にある「指標」という言葉が理解できなかったと想定される。もし「指標が」理解できたら、誤答は「度」や「率」を使っているAやBが多くなったはずだからである。


2.読んで答える問題

第11問 社会人の行動
 社会人の行動として、あまり適切ではないものはどれか。AからEの中から1つ選びなさい。

A:社会のルールを守り、権利と義務の主体として自分の責任を自覚する。
B:働くことによって、生活に必要な収入を得る。
C:地域社会とのつながりを重視して、地域に貢献しようとする。
D:他の人の労力を上手に利用して、自分の利益が最大になるようにする。
E:税金や社会保険料を払うことによって、国や地方公共団体に貢献する。

正答:D

解説:A,B,C,とEは教科書にかいてあることであり、社会人として必要な行動である。一方、Dはある種の人にとっては当然のことになるだろうが、このタイプの人が多いと会社どころか社会が成り立たない。面倒な仕事は他人にやらせて自分は楽をしようと思う人がいるかもしれないが、それは無理である。 まず自分に与えられた仕事は自分の努力で完成させなければならない。嫌な仕事は他の人にやってもらえば良いと思ってはならない。
 ただし、注意しなければならないのは、他人の労力を全く利用しないで、自分1人だけで仕事をすることもできないということである。自分が仕事をするときは、社内の同僚、お客様、再委託先、認可官庁、地元住民など、必ず誰かのお世話になっている。お互い様であることを認識し、これらのステークホルダーとは良好な関係を保つようにしたい。
 正答率は96%であった。


第12問 キャリア
 キャリア形成について、①と②に入るものを正しく組み合わせたものを1つ選びなさい。

 ビジネスパーソンのキャリア形成は、社内業務を通して形成されるものに加え、[①]を活かしたものが重視されるようになってきた。そして、キャリア形成で期待される職業能力も、社内で定型的な仕事を処理する技能の習熟よりも、変化への対応や、[②]が重視されるようになってきた。

A:① 個人の出身・経歴   ② 問題発見・解決能力
B:① 個人の出身・経歴   ② 会社への忠誠度
C:① 個人の主体性     ② 問題発見・解決能力
D:① 個人の主体性     ② 会社への忠誠度
E:① 技能訓練の受講    ② 環境問題への取り組み

正答:C

解説:①について、個人の主体性を活かしたキャリア形成とは聞こえが良いが、いい面と悪い面があることに注意しなければならない。いい面としては、自分が興味を持った技能を習得していくのは楽しいということが挙げられる。また、例えば技術士資格を取得すると手当が出る会社もあり、収入増につながることもある。一方で、仕事の時間以外に資格取得の勉強をすると、個人の余暇や休息を減らすことになる。会社側からの視点では、従来型の社内教育の経費や手間を省いて、個人の主体性に押しつけている面があるのは確かだろう。
 ②について、仕事をする中では、次のことが重要である。まず、問題を発見する。次にその問題に対して実行可能な解決方法を考え出す。そして、その解決方法を実行する。実行後は問題解決のためにとった行動を反省・評価する。
正答率は96%であった。


第13問 日本の社会の変化
 日本の社会の変化について、当てはまらないものを1つ選びなさい。

A:日本は少子高齢化のために人口減少が始まっている。
B:人口の減少により、年金・医療・介護等の負担は減少している。
C:1990年に始まった大規模なバブル崩壊により、多くの資産価値が失われた。
D:バブル崩壊後の経済低迷は「失われた20年」と呼ばれた。
E:グローバル化に対応した国際競争力の強化が求められる。

正答:B

解説:2018年5月に国が公表した「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」によれば、2040年の社会保障給付費は2018年の約1.5倍になるとされている。人口が少し減っても、社会保障費が減少することにはならない。
 正答率は88%であった。


第14 問 ビジネスにおける計算
 ビジネスにおける計算について、間違っているものを1つ選びなさい。

A:数字を使うことで、量、時間、程度などが相手に伝わりやすくなる。
B:銀行業務など、お金を扱う場合は1円単位で間違いのないように計算する。
C:概数計算で良いときは、58×73を60×70のように計算すると、だいたいの答えが分かる。
D:同僚が作った表計算ワークシートを使うときは、セル内の計算式まで確認しなくてもよい。
E:電卓で計算をするときは、少なくとも2回計算して、間違っていないか確認する。

正答:D

解説:計算式が正しいか確認してから表計算ワークシートを使うこと。たとえば、合計を出すときに、合計を出したいと考えている範囲と、セル内に実際に記述されている計算式の範囲が違うことがある。
 正答率は92%であった。


第15 問 労働基準法
  労働基準法について間違っているものを1つ選びなさい。

A:この法律は経済効率を重視しているため、労働者保護の観点はない。
B:労働組合法、労働関係調整法と合わせて、労働三法と呼ばれている。
C:男女同一賃金の原則を規定している。
D:基本の労働時間は一週間に40時間である。
E:10人以上が働く会社は就業規則を作って行政官庁に届け出る。

正答:A

解説:労働条件は、労働者が人間らしく生活を営むための必要をみたすべきである。そのため、労働基準法は 労働条件の基準の最低限を規定している。これは労働者保護のためである。したがってAが誤りである。
 正答率は92%であった。


第16 問 国民健康保険
 国民健康保険について、間違っているものを1つ選びなさい。

A:社会保障および国民保険の向上に寄与することが目的である。
B:会社ではたらく人は、職場の健康保険組合に加入する。
C:加入していれば、病院で払うお金は3割で済む。
D:仕事での病気やケガは健康保険ではなく、労災保険から保険金が給付される。
E:加入するかしないかは、個人の判断に任されている。

正答:E

解説:基本的に強制加入であり、国民皆保険と呼ばれるゆえんである。
正答率はやや低く、69%である。


第17 問 コミュニケーション
 コミュニケーションについて、①と②に入るものを正しく組み合わせたものを1つ選びなさい。

コミュニケーションとは、感じたことや考えていることを他者に[①]することである。そして、話し手は一方的に話すのではなく、聞き手からのフィードバックから、確実に[①]できているか確認しなければならない。また、コミュニケーションはキャッチボールとの類似性が言われるなど、[②]やりとりであることに注意しなければならない。

A:① 伝達 ② 双方向の
B:① 伝達 ② 一方向の
C:① 公開 ② 一方向の
D:① 公開 ② 強制的な
E:① 指示 ② 強制的な

正答:A

解説:「公開」と言えば、発する側が情報を表に出しただけで、受ける側がどうかは明確でない。受ける側に情報が達して意味内容が伝わることが重要であるから「伝達」がよい。フィードバックを受けたり、情報の発信者と受信者が交替するなどの点で、コミュニケーションは双方向である。
 正答率は96%で高い。


第 18問 仕事での会話
 仕事で話をしたり聞いたりするときの注意点として、間違っているものを1つ選びなさい。

A:話すときは相手の反応を確認しながら話す。そのため、相手の目を見る。
B:話すとき、自分の品格を保つために、なるべく和語は使わないで、漢語を多く使う。
C:専門用語、カタカナ語、略語は、知っている相手に使うのは効果的だが、知らない相手に使うと逆効果である。
D:話を聞くときは、適度にうなづいて、あいづちを打つようにする。
E:聞いた話に対して一方的な判断をしない。「判断保留」が良いときもある。

正答:B

解説:耳で聞いて分かりやすいのは和語である。Cにもあるように、相手にとって分かりやすいことがまず第一である。
 正答率は92%である。


第19 問 「報連相(ホウレンソウ)」
 「報告・連絡・相談」のいわゆる「報連相(ホウレンソウ)」について、間違っているものを1つ選びなさい。

A:チームで仕事をするので、メンバー同士でコミュニケーションすることが大切である。
B:上司からの指示に対して、報告・連絡・相談という形でのフィードバックをする。
C:部下から上司へのフィードバックがないとき、その部下の態度を叱責するべきである。
D:報連相は上司と部下との間の双方向の情報伝達である。一方的であってはならない。
E:上司に相談するとき、「どうすればいいか分かりません。」と言うよりは、「私はこの方法が最善だと思いますが、課長はどう思われますか。」のような具体的な提案をするのが良い。

正答:C

解説:部下からのフィードバックを妨げる何かが上司の側にある可能性もある。たとえば、ちょっと相談をしただけで怒り出す上司であれば、部下はだんだんフィードバックしなくなるであろう。まさかそんな人間が上司になれるのかと疑問に思うかもしれないが、そんな上司が実際にいるのが職場という所である。
 正答率は92%であった。唯一の誤答はEだったが、内容は正しい。Eは学生諸氏におぼえておいてもらいたいことである。


第20 問 同僚や部下との関係
 同僚や部下との関係で、間違っているものを1つ選びなさい。

A:会社の行事や飲み会は同僚とコミュケーションする良い機会である。
B:職場では同僚への気配りを忘れないように行動する。
C:どうしても性格的に合わない同僚がいるとき、心の中で仕事だからと割り切る。
D:部下が失敗をしたときは、失敗の後始末を部下自身でするように命令する。
E:部下には少し高めの任務を与えて、任せてみることが部下の成長につながる。

正答:D

解説:後輩や部下が何か失敗をしたときは、きちんとフォローする。小さい失敗であれば、部下自身で後始末ができるものもあるかもしれないが、大きな失敗の場合は先輩・上司として、手助けをする。失敗の影響が自分に及ばないように、自分は関係ないという態度をとるのはよくない。また、失敗した後輩を頭ごなしに叱りつけるのはよくない。特に、他の人が見ている前で失敗した人を叱りつけるのはパワーハラスメントの一種である。
 正答率は96%であった。


第1回小テストをふり返って

 1学期に4年生にこの商務礼儀実訓を教えたときは、このような小テストはしなかった。そのときは週に2回授業をやって、学期の前半で終わらせる受業であったため、小テストをする余裕もなかった。今回の3年生の授業は週1回で学期にわたって実施されるために時間的余裕がすこしあること、それからいくつかの理由から、小テストをすることにした。

 実施した以上は、評価し、次への改善を考えなければならない。今回は 技術的なことでいえば、一方のクラスからはリスニングテストの音声がよく聞こえないとの指摘があり、20問のうち前半のテストをやめてしまった。原因については、すこし心当たりのあることはあるが、あとで回答を見てみると、きちんと聞こえていた学生も多かったようである。2回目や3回目の小テストの時に改善を図りたい。

 

 なお、まだあまり分析できていないということと、ここで「手の内」をあまり見せたくないということもあり、余計なことは書かないことにしたい。いずれにしても、オンラインという不自然な状況で授業をしており、小テストもオンラインで学生たちに指示を出す。効率的なようでいて、やはり対面授業に比べれば、さまざまな点で不利である。

Short Compositions on April 12th in Japanese Business Manner Class

Short Compositions on April 12th in Japanese Business Manner Class
3年生:商務礼儀実訓:第6週の作文の回答例

 以下の回答例は教師の個人的な意見を書いたものである。そのため、実社会で本当に有効かどうかは保証の限りではない。また、このように書けば得点が高くなるというものでもないので、学生諸氏においてはその点を留意してほしい。評点は5点が最高で、最低は0点である。
 以下の回答例は授業で使用している以下の教科書を参照している。
外語教学与研究出版社「日本商務礼儀教程」2017.6、48.0元
この教科書は日本公益社団法人 全国経理教育協会主催 社会人マナー検定試験指定教材をこちらの国の中で教科書として出版したものである。


1問目

A問題

問:自分が相手に話をするときの留意点はどんなことですか。その留意点はどうして必要ですか。

回答例:自分が相手に何を伝えたいのか、自分自身の考えを整理して話す。話すときには相手の表情や反応からフィードバックを得る。それにより伝えたいことが相手に理解されているか確認し、必要な場合は、より伝わりやすい話し方に変えたりする。(110文字)

回答者13名、4点4名、3点2名、2点5名、1点1名、0点1名

B問題

問:自分が他の人の話を聞くときの留意点は何ですか。複数挙げなさい。

回答例:先入観を持たないで話を聞く。相手の話におかしな点があるとか、あまり意味のない話だと感じても、拙速な判断を下さないようにする。質問して話し手の意図を確認することも大切である。場合によっては判断を保留し、時間をかけて対応を判断する。(114文字)

回答者12名、5点0名、4点2名、3点1名、2点9名、

C問題

問:ノンバーバル・コミュニケーションとは どんなものですか。また、具体的には どんな形で表れますか。

回答例:言語を使わないコミュニケーション手段である。視線、表情、身ぶり、姿勢、相手との距離の置き方などに表れる。言語を用いているときの口調や音量、声の高さや低さ、字の丁寧さや乱暴さなども含めることがある。コミュニケーションに大きな影響がある。(117文字) 

回答者11名、4点1名、3点6名、2点3名、1点1名

D問題

コミュニケーションを上手にするために、どんなことに気をつけたらいいですか。

回答例1:自分の思いを上手に伝えるためには、聞いてくれる相手にとってわかりやすい情報発信をすることが必要である。すなわち、誰にでもわかる言葉を選んで使い、専門用語は相手の理解促進につながるか判断して使う。話すときのスピードや発音の明瞭さにも注意する。(120字)

回答例2:コミュニケーションはよくキャッチボールにたとえられるように、双方向のやりとりである。そのため、話し上手であると同時に聞き上手でもあることが望ましい。相手の反応を聞き、自分が何を求められているかを読み取って、より効果的な意思伝達につなげていく。(121字)

回答者12名、4点4名、3点4名、2点4名、



2問目

E問題

問:職場の人間関係とは、どんなものですか。自由に想像して書きなさい。

回答例:職場には社長、部長、課長、課員、アルバイトなどの上下関係、つまり縦の関係がある。一方で、同期入社の人同士が横の関係を作っていたりする。職場には高学歴の人もいれば、学歴はそれほどでなくても職務経験が豊富な人もいる。多様性のある人々が集まる職場には複雑な人間関係がある。(133字)

回答者13名、5点1名、4点3名、3点4名、2点3名、1点1名、0点1名

F問題

問:同僚とよい関係を維持するために、どんなふうに行動しますか。具体的な例を挙げなさい。

回答例:普段からの良好なコミュニケーションを積み重ねるようにする。明るい態度で対応し、不要なことで迷惑をかけないようにする。助け合いが必要な時はきちんと対応して同僚の期待に応える。そして自分が信頼できる人間であることを同僚たちに感じてもらえるように努力する。(125字)

回答者12名、4点1名、3点6名、2点4名、1点1名

G問題

問:後輩を育成するとき、気をつけることは何ですか。複数挙げなさい。

回答例:自分の方が職務経歴が長いとしても、それで後輩より偉いというものではない。同じ職場で同じ業務を協力して成し遂げるチームの1人として接する。後輩の育成は、従来型の根性論的な教育方法よりは、後輩個人の特性を見極めて行う必要があるだろう。(115字)

回答者11名、4点1名、3点7名、2点3名

H問題

問:仕事で、ホウレンソウをきちんとしないと、どんなことが起こりますか。

回答例:情報が伝達されなくなり、仕事の遅れや、不適切な判断を引き起こす。最悪は事故や災害の原因にもなる。ホウレンソウがうまくいかないのは職場内の人間関係がよくないことが原因のこともある。ホウレンソウ欠如による業務の失敗が重なると、職場の人間関係をさらに悪化させる。(128字) 

回答者12名、4点2名、3点4名、2点6名


今日の授業をふり返って

 今回、オンライン授業のやり方に大きな変化を与えた。これまで実施していた授業中のクイズをやめて、短い作文をしてもらうことにした。学生の回答パターンを見ると、寮の部屋の中で答えを教え合っていることが明らかだった。今回寮の部屋割りを調べたところ、多くの部屋でルームメートが同時にクラスメートであった。このような部屋は答えの共有が行われやすい。一方で、ルームメイトにクラスメートがいない学生もいることが判明した。部屋にクラスメートがいる学生は教えあって高得点が可能であるが、教えあうクラスメートのいない1人ぼっちの学生は独力で回答しなければならない。これは不公平である。

 この不公平を解消するため、これまでの5問クイズはやめて、短い作文を2回してもらうことにした。そして、ルームメイト同士で助けあうことがないように、4種類の作文課題を用意して、同じ部屋の4人それぞれが別の課題で作文するようにした。今日はじめてこの方法を実施したので、作文は予定の5分より時間がかかり、8分程度で提出させた。次回以降はなるべく5分で提出させるようにしたいと思う。

 もちろんこの方法にも良い点と悪い点があるだろう。採点してみた感触として、作文どころか教科書の該当箇所を丸写ししている学生が多かった。内容を理解した上で、自分の解釈を自分の日本語で表現することは、まだ難しいレベルの学生が多いことも事実である。しかし箇条書きまで教科書そっくりそのままのものにはがっくりした。そのような答案は2点か1点にした。

Quiz Answers : Japanese Business Manner on Week 04

Quiz Answers; Japanese Business Manner on the 4th week
3年生:商務礼儀実訓:第4週のクイズの解答



正答:B
 あやふやな数字を出したために、あとでそれを根拠に不利なことを言われるかもしれない。このような事態を恐れる人もいる。そのような人はよく「数字が一人歩きするから、出さない方がいい。」と言う。しかし、Aにあるように、仕事の内容を説明し、理解してもらうためには効果的に数字を使うのが良い。したがってBがあやまりである。Cは表計算ソフトの注意点を言っている。セル内の数式の意味、計算対象範囲を確認すること。Dは1円単位と書いているが、消費税の計算の時など、小数点以下の端数が生じることがある。その処理については職場ごとにやり方が決まっているので、安易に繰り上げたり、切り捨てたりしないで、きちんとルールを聞き、理解してから端数処理すること。
 正答率は88%だった。誤答の選択はばらついた。



正答:B
 明らかにBが間違っている。著作権法上の違反だけでなく、道義上の問題も大きい。つまり、このようなことをすればアーティストの収入が減ってしまい、活動を続けられなくなってしまう。自分がお気に入りのアーティストと言いながら、実際はそのアーティストに損害を与えているのである。一部の人のSNS上での行動を見ていると、こうした認識があまりにも欠けているようである。
 正答率は69%だった。誤答の選択はばらついた。



正答:A
 日常業務を遂行する上での目標を達成することが一番重要なのは、正しい。その目標達成のために日々努力し業務をして行く中で、改善した方が良いことがいくつか見えてくる。ある改善点は、改善しなければ業務が止まってしまうかもしれない。このような改善はすぐに実行されなければならない。また別の改善点は、今すぐ取りかからなくても、問題文のように次の年度の課題にしても良いかもしれない。重要なことは、業務上の問題をいつ・どのように解決すべきか、実行可能な方策を立てて実行することである。安易になんでもかんでも次の年度の課題にしてしまったら、問題による障害で今年度中に仕事が止まるかもしれない。止まらなくても次の年度の改善点が多くなりすぎて実行できなくなる。
 上記は くどい説明だと思うかもしれない。しかし、問題を改善しないまま放置する人は意外と多い。このままのやり方では物事が悪い方向に行くことが分かっていても、何も対処せず、今までのやり方を続けてしまうのである。
 正答率は94%だった。誤答は少なく、傾向は読み取れない。



正答:A
 かくいう私も現役時代には就業規則を真面目に読んだことはなかったが、リタイヤ後に非正規社員として働き始めたとき、就業規則をよく読んだ。基礎的なルールは頭の中に入れておいた方がよい。判断が必要な時にルールを知らないと、不利なことを受け入れてしまう恐れもある。
 正答率は97%だった。誤答したのは1人だけである。



正答:C
 最後の5問目は通常、授業全体のまとめ的なクイズにするが、今回だけは授業の終わりに学習した税金関連のみの出題とした。会社員は会社での収入に関わる税金を会社を通して納めるが、副業がある場合はそれに関わる税金を自分で確定申告して納めなければならない。副業をこっそりやって税金逃れをしてはいけないことを授業中に強調したため、高い正答率となった。Cを正しい情報に修正すれば、税金関連で教師が伝えたかったことはこのクイズにほぼ網羅される。
 正答率は90%だった。誤答は少ないため、傾向を読み取ることはできない。


 本日の内容は、日本で働く人以外にとってはつまらない内容だと考えられる。また、教師の説明が長かったため、学生の側は興味を持って授業を聞き続けるのが難しかったのではないかと思う。最初の出席登録だけして授業活動に参加しなかった学生や、クイズの解答を途中でやめてしまった学生が数名いた。
 本日の反省としては、教師の説明に時間を使いすぎ、学生とのインタラクティブな活動に時間を取れなかったことである。学生を指名して答えさせるスライドも用意していたが、時間短縮のために、学生に答えさせず、教師が答えとともに読み上げた場面もあった。学生側が興味を持ちにくい内容であるからこそ、かえって学生に発話させる場面を多くするべきだったと反省している。
 午前のクラスでは強調できなかったが、午後のクラスでは授業の最後に、日本では健康保険と年金の制度が整備されていることを強調した。

Quiz Answers : Japanese Business Manner on Week 03

Quiz Answers; Japanese Business Manner on the 3rd week
3年生:商務礼儀実訓:第3週のクイズの解答



正答:A
 日常業務をきちんと処理していくためには、いつまでに何をするかの目標が必要である。目標を立てるのはそれだけでなく、業務改善に向けた目標、それから自分自身のキャリア形成に関わる目標を立てなければならない。そのためAが間違っている。特に自分のキャリア形成については、会社からいつまでに何をしなさいと言われるよりも、自分自身で計画し、実行しなければならない。
 正答率は83%だった。誤答の選択は ばらついた。



正答:B
 これらの換算式を現時点でおぼえておく必要はない。もちろん、会社に入った時点で、自分の仕事によく使う単位の換算式をおぼえなければならない。このクイズで必要なことは、それぞれの選択肢の換算式が正しいか数字を調べることではない。このようにいきなり無茶な問題が出たときは、問題の意図を見極めなければならない。わざわざ1フィート(feet/foot)と書いてある。爪先からかかとまでの長さが60センチもあるはずがない。
 正答率は61%だった。誤答はほとんどAだった。1インチは2.54cmであるから、10cmは3.94インチである。そのため、「10cmは約4インチ」というのは誤りとは言えない。



正答:C
 間違っている選択肢を選ぶこの問題は、とても簡単である。法令順守を犠牲にしてはならない。
 正答率は96%だった。


 クイズの4問目は教科書34頁の演習問題3から問2を出題している。問題文は多少変えているが、そのままブログに掲載できないので、各自教科書を参照すること。
正答:C
 一見して分かることは、乙さんが毎月貯金する額のほうが、甲さんの毎月の貯金額より大きいということである。乙さんが貯金を始める時点で、甲さんはすでに1年分の貯金があるから、この甲さんの貯金額に、毎月の差額の積み重ねが達する月数を計算すれば良い。
 甲さんの1年間の貯金額(=乙さんが貯金を始める時の甲さんの貯金額)=5,000×12=60,000[円]
 毎月乙さんが甲さんより多く貯金する額(=毎月貯金額の差)=7,500-5,000=2,500[円/月]
 差額の積み重ねが甲さんの1年の貯金額に達する月数
=60,000[円]/2,500[円/月]=24か月
 正答率は50%だった。問題が難しくて分からなかったのか、あるいは日本語が難しかったから問題が分からなかったのか、分析できないので、この正答率からは何とも結論できない。誤答はAが多く、回答者全体の43%がAと答えた。
 Aと回答した人の計算は、甲さんの1年間の貯金額6万円を、乙さんの月あたり貯金額7,500円で割って、8か月としている。しかし、甲さんが1年で貯金をやめたとは書いていない。乙さんが貯金をスタートした後も、甲さんは貯金を続けているのである。その条件下で、乙さんの貯金額が甲さんの貯金額に追いつくのは何ヶ月になるのか算出するのが、この問題の意図である。



正答:D
 定価の70%の値段で売ることを7割折りとはいわない。3割引きと言う。
 正答率は68%だった。誤答はBが多い。速度、距離、時間の3つの関係について、別のスライドで説明した際も、学生はあまり理解していないようだった。また、単位の書き方を見れば、計算方法が分かる旨説明したが、Bを誤答とした学生が多かったのは残念である。


 本日は午後のクラスの時間と、日本語能力試験のN1の申し込み開始時間が重なった。申し込み順の受付なのか分からないが、開始時間ちょうどから申し込むために、途中でオンライン授業から抜けた学生が多かった。オンライン授業に参加できなかった時間を後で自己申告させたところ、申し込みには おおむね15分程度かかったようである。
 本日の授業内容はビジネスにおいて必要とされる基本的な計算についてだった。教科書にあることに加えて、教師の社会人としての経験から必要と思われる事項を説明した。午前のクラスではほぼ時間どおりに進行できたが、午後のクラスでは遅れ気味になった。内容は同じであっても、1回目は時間どおりに進行するが、2回目は遅れ気味になりやすいように感じている。学習者の特性か、教える側の気の緩みか、いずれにしても2つのクラスに対して不平等にならないように配慮したいと思う。

Quiz Answers : Japanese Business Manner on Week 02

Quiz Answers; Japanese Business Manner on the 2nd week
3年生:商務礼儀実訓:第2週のクイズの解答



正答:E
 日本全体の動きとしては、非正規雇用の割合も人数も増えている。そのためEが間違っている。
 正答率は58%だった。誤答はCが多く、回答者全体の3分の1以上がCと答えている。そのため、なんらかの原因があるはずである。仕事は一人でするものではなく、必ず他の人と関わってするものである。Cの文意は正しく、間違ったものを選ぶこの問題では正答にならない。



正答:B
 正しいものはBだけである。仕事をしていく中で、さまざまな問題にぶち当たる。問題には、それを解決しないと自分の仕事が止まってしまうものもあれば、しばらくは大した障害にはならないが、そのままにしておくと組織全体に悪影響したり非効率化したりするものもある。そうした問題を解決しないまま放置してはならない。誰かが解決してくれることを期待して黙っていてはならない。実行可能な解決策を考え出し、上司の承認を得て、解決策を実行するべきである。
 正答率は88%だった。したがって誤答の割合は小さいが、誤答はすべてCだった。会社の仕事をやる中で、定型的な技能の習熟でよかったのは過去のことである。近年は会社の仕事だけでなく、個人がそれぞれの特性にあわせて主体的に学び、技能や知識を蓄積することが必要である。



正答:D
 以下の区別がある。
①:「な」歯茎鼻音と、「ら」歯茎弾き音
②:「も」両唇鼻音と、「の」歯茎鼻音
③:「だ」歯茎破裂音の有声音と、「た」歯茎破裂音の無声音
④:「ど」歯茎破裂の有声音、「の」歯茎鼻音(有声音)
 これらを区別することができるか確認したかったのだが、3年生であるから、多くの学生は選択肢を見ただけで解答できた。音声を正しく聞き取る問題としては失敗だった。
 来週からこのクイズ3問目は2週前の授業の内容確認にするつもりである。今週はまだ2週前の授業が存在しないので、「余興」としてこのクイズを作った。学生が興味を持つような日本のポップカルチャーに関しては、当方は残念ながらほとんど知識がない。私の中の日本のポップカルチャーを無理してひねり出そうとすると、こんな古いものしかでてこない。音源はアマゾンから1曲250円で購入した。ネットから違法コピーなどということは絶対にしていない。
 正答率は91%だった。



正答:C
 「何をするのですか」や「何のためにするのですか」という問いは解決済みだと想定している。その次に重要な確認事項は、「いつまでにその仕事を完成するか」である。ビジネスはお金こそが最重要という人もいる。傾聴すべき意見ではあるが、新入社員が仕事を始めて、業務をおぼえていく中で、最初からお金をコントロールする立場になるかと言えば、なる職場もあるだろうが、あまり多くないと思われる。それよりも時間の感覚が大事である。小さな作業から大きなプロジェクトまで、とにかく最初は「いつまでに終わらせるのか」という確認と「それに間に合うように作業するにはどうすれば良いか」という意識が重要である。
 正答率は92%だった。誤答は少ないが、Dだった。お金が大切という点では間違っていない。しかし、一番重要なことと言えば時間だろう。お金は取り返しがつくかもしれないが、時間は絶対に取り返すことはできない。



正答:C
 単に1回仕事をやって終わりではない。1回仕事をしたことを評価し、2回目以降の改善のために行動する。2回目の業務のサイクルを改善するためにPDCAサイクルの概念を用いる。そのため2回目に影響しないようにするというCは間違っている。当然、改善のための行動は2回目で終わるのではなく、3回目以降もさらに改善することにより、継続的に改善を進めていく。
 正答率は65%だった。誤答はBとDが半々であった。


 先週の授業方法を少し変えて改善を図った。1学期に4年生に対してこの商務礼儀実訓を教えたときは、教えた内容とほぼ同じ内容の文章を穴あきで見せて、ソロで指名し、穴埋めをさせた。特に不都合はなかった。しかし、先週 3年生にも同じ方法で理解確認をしようと思ったところ、あまりうまくいかなかった。そのため、単なる穴埋め問題は減らし、学生に課題を考えさせて、ソロで指名し、発表させる形式を取ってみた。最初からソロ指名すると他の学生は課題を考えようとしなくなるので、まず全員に考えさせ、それからソロ指名する。このやり方では一人が答えている時間が長くなり、その間、他の学生がどうしているかが気になる。もしかするとスマホで遊びはじめるかもしれない。
 ソロで答えさせている時間に、他の学生がどうしているかは、オンライン授業において重要な問題だと考える。指名された一人が答えようとしている間、他の学生は、自分ならもっと速く答えられる、自分ならもっと別の答えを出せる、というように考えていてくれることを、私としては期待している。

Quiz Answers : Japanese Business Manner on Week 01

Quiz Answers; Japanese Business Manner on the 1st week
3年生:商務礼儀実訓:第1週のクイズの解答



クイズではなく、アンケートを取った。32人が回答し、以下のようであった。
K:教育・学習支援業(学校)・・・・・・・・12人
M:公務(政府、役場、公務員)・・・・・・・ 8人
H:金融・保険業(銀行、保険代理店等)・・・5人
J:宿泊・飲食サービス業(ホテル、飲食店)・2人
以下は1人ずつだった。
A:農業・林業・漁業
C:製造業(材料、食品、機械、)
E:情報・通信業(IT、ソフトウェア、放送)
I:不動産業(土地・建物取引)
L:医療・福祉業(病院、介護施設)



正答:A
「内容に合わないもの」が答えである。社会人は生活のための収入を得るだけではなく、収入の中から税金や社会保障費を納めることで、社会に対する責任を果たす。
35人が回答し(以下3~5問目も同じ回答数)、正答率は97%だった。



正答:A
言葉の定義どおりなので解説は省略する。
正答率は74%だった。誤答の多くがCだった。コーポレート・ガバナンスは「内部統制や企業統治と呼ばれるこうした仕組みを機能させ」ることにあたる。



正答:D
間違っているものが答えである。人口は減少し始めたが、社会保障費はこれからも増えていくことが予想されている。
正答率は86%だった。誤答はBとCが約半々であった。



正答:C
製品検査をしないのに合格の検査証を貼り付けたということは、不正を働いており、コンプライアンス上、問題がある。
正答率は83%だった。誤答はAが多かったが、仕事の上で知った秘密は、外部の誰にも言わないのが基本である。社会通念上許されない不正が会社の中で行われていて、外部に告発しなければならないような異常事態もまれにあるかもしれない。しかし、そのような事態はここで対象としていない。


以上ではあるが、本日の授業はいろいろ改善すべき点があり、来週に向けてよりよい方法を考えたいと思う。